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星河の覇皇

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第七十八部第二章 マウリアへの警戒その五

「これもです」
「はい、普通にですね」
「最新のものなら技術流出を警戒しますが」
「それでもですね」
「何百年前のスマホなぞ」
 それこそとだ、二人の元帥も話した。
「意に介しません」
「骨董品もいいところです」
「その技術も」
「何でもないものですが」
「それがです」
 まさにというのだ。
「彼等にとっては違っていて」
「それがまさに宝で」
「どうしても手に入れたいのですね」
「技術供与は行っていました」
 それはというのだ。
「それ自体は。しかし」
「それでもですね」
「それは彼等から見て最早魅力のある技術ではない」
「より上の技術が欲しい」
「スクラップ置き場にある様なものであっても」
「そうでしょう、ただ連合としては」
 あくまで自分達の国のことから話す八条だった。
「他国に、それがマウリアであっても」
「技術格差を縮まらせるつもりはない」
「それはですね」
「拡げていくならともかく」
「縮めさせることは」
「そうです、技術は国家の最重要な要素の一つです」 
 それになるというのだ。
「ですから」
「断じてですね」
「彼等が欲しい技術は手渡せない」
「我々から見てローテクでも」
「それでもですね」
「それが現実です、しかし真にです」 
 八条は二人に元帥にまたこう話した。
「難しいことです」
「民間のローテク技術の保護」
「このことはですね」
「我々はもう役立たないと意識しているからこそ」
「それで、ですね」
「ブラックボックスにもなっていません」
 そうした古い技術はというのだ。
「それならばです」
「まさに盗み放題ですね」
「盗みたい相手にとっては」
「そうした状況ですね」
「今の連合は」
「今こうしている間にもです」
 会議を行っているこの時もというのだ。
「現在進行形で」
「技術を盗まれているかも知れない」
「そうした状況ですね」
「はい、極論すれば」
 八条はこう断った、だが否定はしなかった。
「そうした状況です」
「ではですね」
「早急に対策を講じなくてはいけないですね」
「連合にとっても」
「そうですね」
「流石に百年前の技術は市販されていませんが」
 これは現実にそうだ、そこまで古い技術になるともう市場に出回るものではない。そうした意味で入手は困難なのだが。
「しかしです、博物館にでも行けば」
「それで、ですね」
「簡単に知ることが出来ますね」
「どういった技術か」
「容易にわかりますね」
「そうです、骨董品と言えばもうです」
 この言葉が冠されている様なものならというのだ。 
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