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星河の覇皇

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第七十八部第二章 マウリアへの警戒その六

「博物館にあります、鉄道もそうですね」
「百年前の技術はもうですね」
「連合の鉄道博物館にもあり」
「図鑑にも載っていますね」
「調べることは簡単です」
「そこが問題なのですが」
 八条はまた話した。
「こうした技術流出を防ぐにはどうすればいいか」
「マウリアに知られる」
「そしてエウロパに伝わる」
「そうした可能性もあるので」
「防ぎたいところですね」
「考えれば考える程難しい問題ですね」
「それこそ図鑑を読めば」
 バールが言ってきた。
「我々の百年前の技術なぞは」
「すぐにわかりますね」
「連合の中では百年前の機密なぞ」
 それこそというのだ。
「何でもないですから」
「蒸気機関車と電車ではです」
 両者を比べればというのだ。
「蒸気機関車は何でもないですが」
「それでもですね」
「まだ鉄道がない国にとっては」
「蒸気機関車も素晴らしい技術ですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「マウリアも狙いエウロパもです」
「欲しがっているのですね」
「そしてその新技術を使い」
「そうしてですね」
「技術を発展させるので」
「厄介です、民間技術は軍事技術に転用出来ます」
 無論その逆もある、そうして人類の技術が発展してきたことも事実だ。
「ですから」
「技術を守らないとならない」
「国益を考えると」
「そうしないといけないですが」
「そこが難しいですね」
「少しです」
 八条はバールとディカプリオに話した。
「大統領、そして首相にです」
「技術関係の省庁全般にですね」
「お話しておきたいですね」
「そう考えています」
 まさにとだ、八条は話した。そうしてだった。
 とりあえずは国防省のそれを話していった、国防省は対策を講じることが出来た。しかし民間のそれはというと。
 アッチャラーンは八条に食事を共に楽しみつつ話を受けてこう言った。
「それはどうもだよ」
「難しいですね」
「図鑑や博物館は学問だ」
「教育ですね」
「それになるのだからね」
 アッチャラーンはタイの炒飯を食べつつ八条に答えた、二人は今はタイ料理の店でタイ料理を食べつつ話をしているのだ。
「だからそれは」
「難しいですか」
「百年前、いや五十年前の技術なら」
「もうですね」
「何でもないからね」
 そうした技術だからだというのだ。
「我々にとっては」
「そうしたものだからこそ」
「博物館にも展示されて」
「図鑑にも載るのだよ」
 それでというのだ。
「それを止められるか」
「不可能ですね」
「そう、教育を考えるとだよ」
「出来るものではないですね」
「そうしたものは誰でも入ることが出来るし読める」 
 博物館にしても図鑑にしてもだ。 
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