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イベリス

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第九話 部活も入ってその七

「それでもよ」
「ずっと貧打線だったけれど」
「それでもね」
「阪神はいいチームよ」
「ずっとピッチャーいいし」
「先発中継ぎ抑えいつも揃ってるし」
「ファンも熱いしね」
 この熱さはあまりにも有名である。
「七回になったら風船」
「甲子園じゃね」
「そして縦縞」
「もうこれが最高よ」
「それわかるわ、私も嫌いじゃないし」
 阪神はというのだ。
「ヤクルトファンでもね」
「他の球団のファンでもそうなのよね」
「それが阪神よね」
「本当にね」
 その通りだとだ、咲も答えた。
「私もそうだしね」
「そこが巨人と違うわね」
「他のチームのファンからも嫌われないのよ」
「むしろ愛される」
「そうなるのよね」
「これがね」
「そうね、阪神には負けても」
 咲はヤクルトがそうなった時のことを思い出しながら話した。
「詳しいけれど」
「腹は立たない」
「そうなのね、小山さんも」
「負けは負けでも」
「そうなのね」
「そこまではね」 
 どうにもというのだ。
「思わないわ、ただね」
「ただ?」
「ただっていうと?」
「どうしたの?」
「交流戦でソフトバンクと戦ったら」
 このチームとそうした時のことも話した。
「いつも怖いわ」
「ああ、あそこは強いわね」
「伊達に超巨大戦力じゃないわね」
「実際滅茶苦茶強いしね」
「人材揃い過ぎてて」
「それでね」
「阪神以外じゃ勝てないのよ」
「シリーズ以外ではね」
 このことを皆言った。
「ソフトバンクは確かに強いわ」
「文字通り超巨大戦力よ」
「けれどシリーズじゃ毎年よね」
「ソフトバンクは負けるか」
「そのことを考えると」
「阪神はどうかってことよね」
「戦力としてはソフトバンクが圧倒してるわ」
 咲は言い切った。
「どう見てもね」
「そうよね」
「どう見てもそうよね」
「戦力はソフトバンクが圧倒してるわよ」
「パリーグがね」
「けれど阪神がいつも勝ってる」
「それが何故か」
 阪神ファンの娘達は口々に言った。
「やっぱりね」
「そこに戦略があるのよ」
「確かなそれがね」
「阪神はどうしてそのソフトバンクに勝つか」
「圧倒的に強いけれど」
「他のチームが出る場合もあるけれど」
「そうよね、阪神は伝統的に投手陣がいいから」 
 咲もこう言った。 
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