| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

イベリス

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第九話 部活も入ってその八

「そこから考えたらね」
「強いわよ」
「あの投手陣は伊達じゃないわよ」
「何と言ってもね」
「どんなに打線が弱くてもよ」
「投手陣はよかったわよ」
「いつもね」
 阪神のこのことを言うのだった。
「もう十二球団一」
「暗黒時代もそうだったしね」
「八十年だ以降後半から二十一世紀までだったけれど」
「星野さんが監督になるまで」
「そうだったけれどね」
「やっぱり野球はピッチャーよね」
「そうよね」
「ピッチャーね」
 咲も阪神ファン達の話を聞いて言った。
「それがいいと」
「それが違うわよ」
「もう何といってもね」
「もうそれがね」
「ヤクルトもそこからでしょ」
「チームを強くするには」
「そうなのよね、けれどね」
 咲は難しい顔でクラスメイト達に言った。
「先発、中継ぎ、抑えもって」
「全部揃えるとね」
「ちょっとね」
「そうなるとね」
「流石にないわよね」
「三つ全部って」
 それこそというのだ。
「そうはね」
「まあないわよね」
「他のチームにはね」
「そうそうないわよね」
「三つ全部っていうのは」
「それだけでもないわよ」
 それこそというのだ。
「滅多にね」
「まあね」
「その三つがいつも充実してるとかね」
「先発も中継ぎも抑えもって」
「特に中継ぎ抑えがね」
「充実してるから」
「それがね」
 咲は羨ましそうに言った。
「羨ましくもあるわ」
「まあそうそうないからね」
「投手陣が全部いつも充実してるとか」
「滅多にないことよね」
「阪神だけよね」
「それは」
「うん、そんなチームないわよ」
 咲は真顔で言った。
「本当に」
「それでね」
「今は毎年日本一なのよね」
「その十二球団の投手陣でね」
「やっていってるのよ」
「野球はピッチャーよね」
 心からの言葉をだ、咲は出した。
「本当にね」
「それは本当にそうよね」
「今は阪神打線も凄いけれど」
「ずっと打線は駄目だったから」
「そうだったからね」
「それがね」
 咲はまた言った。
「今はね」
「凄い打つから」
「打率は毎年二割八分越えていて」
「得点圏打率も高いし」
「一発長打もあって」
「滅茶苦茶強くなったわね」
「もう打たないことで有名だったのに」
 伝統的にそうであった打線がというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧