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イベリス

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第九話 部活も入ってその六

「負けたらね」
「それじゃあね」
「もう何でもないわね」
「普通のチームはね」
「それで終わりよ」
「けれど阪神は」
 このチームはというと。
「勝っても負けても」
「そうそう、絵になるのよ」
「華があって」
「あの伝説の三十三対四でもね」
「あの冗談みたいな負けでもね」
「あのシリーズその目で観てないけれど」
 咲だけではない、他の娘達もだ。まだ彼女達が生まれたかその前のことなので誰もその目ではなのだ。
「けれどね」
「それでもよね」
「ネットでも観られるしね」
「今も語り草になってるし」
「それでね」
「ええ、もうね」
 それこそというのだ。
「あのシリーズはね」
「私達も知ってるわ」
「それもよくね」
「伝説のネタとして」
「悪夢は悪夢でもね」
「何でや阪神関係ないやろ」
 咲はあまりにも有名なこの言葉も出した。
「これよね」
「もうしょっちゅう言われるから」
「三十三対四ってね」
「惨敗とかとんでもない一方的なお話あると」
「野球以外でも言われるから」
「アニメでも何でもね」
「そうよね、ネットでアニメ観て書き込みあったら」 
 そうしたことが出来る場所ならというのだ、ニコニコ等がそれだ。
「惨敗とかあったら」
「書かれるでしょ」
「この三十三対四がね」
「もう今も書かれていて」
「ネタになってるわね」
「今も書かれるなんて」
 それこそというのだ。
「屈辱よね」
「かなりね」
「もういい加減にして欲しいけれど」
「それでも笑えるのよね」
「阪神ファンにしても」
「それね、阪神だけよ」
 野球以外のところでもネタとして出て来るのはというのだ。
「ゲームでもだし」
「こんなチーム他にないわよ」
「絶対にそうよ」
「ここまでネタになって愛される」
「絵になるチームってね」
「ヤクルトファンから見てもね」
 咲自身のことに他ならない。
「そうだしね、正直応援してて楽しいわよね」
「だから負けてもね」
「当然悔しいけれどね」
「それでも笑えたりするから」
「今年もとかね」
「やれやれとかね」
「けれどね」
 それでもというのだ。
「阪神はね」
「鳥谷さんがチャンスで凡退して」
「その後何故か高確率で相手チームのビッグイニングになっても」
「特にカープ相手でそうだけれど」
「どういう訳か強くても毎年カープに負け越しても」
「甲子園に魔物がいても」
「ケンタッキーのおじさんがいても」
 今度は都市伝説の話になった、阪神の凄いところはこうした都市伝説まで存在しているということだ。 
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