| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十八部第一章 二度目の会戦を観てその十一

「統一してからのこともだ」
「考えていますね」
「間違いない」
 このことはというのだ。
「だからだ」
「それで、ですね」
「次の会戦だ、決めるならな」
「若し決まらないと」
「その場合はだ」
「消耗戦になることもですね」
「恐れなくてはならない」 
 オムダーマンもティムールもというのだ。
「彼等にとって好ましくない決断をな」
「そうなりますね、それとですが」
 ここでシコースキーは話題を変えた、そのうえで鯨のステーキの味を楽しみつつマトリョーフに対して言った。
「今現在開発中の」
「あの艦艇のことか」
「若し開発に成功してです」
「艦隊に配備されるとな」
「大きいですね」
「確かにな。あの艦艇を使えば」
「後方や側方からの奇襲に使えば」
 そうすればというのだ。
「それで、ですね」
「敵をよりだ」
「効果的に攻撃出来て」
「戦術を有利に進められる」
「そうですね、では」
「私もだ」
「開発に成功して」
「製造が行われてだ」
 そしてというのだ。
「実用化されることをな」
「願っておられますね」
「そうしている、しかし思うことは」
「それは」
「こちらが考えることは」
 それはというのだ。
「敵もだ」
「考えているということですね」
「人間の考えることは大体同じだ」
「違うといっても」
「実は大した違いはない」
「電話もそうでしたね」
 シコースキーはこちらの発明の話をここでした。
「ベルも開発していましたが」
「同時にだったな」
「トランジスタの発明者がでしたね」
「彼も電話を発明しようとしていた」
「そうでしたね」
「ベルは電話の特許を得たが」
「それは僅かな時間差で」
「彼の方が先に特許を出していた」
 同じ日にそれこそ二時間かその程の違いで特許を得たのだ。
「それでもう一方の人物はだ」
「電話で名を知られずに」
「トランジスタで名を知られる様になった」
「そちらでの有名人になりましたね」
「歴史に名を遺した」
「人の考えることは違う様でだ」
 そう思っていてもというのだ。
「実は大したことではない」
「そういうことですね」
「だからだ」
「あの艦艇も」
「開発している国があるかも知れない」
「既にですね」
「もっとも性能はな」
 それはというと。
「我々のもの程ではないだろうがな」
「はい、性能はですね」
「やはり我々が最先端をいっている」
「そのことは間違いないですね」
「だからだ」
 マトリョーフはさらに言った。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧