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オズのジンジャー将軍

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第二幕その十

「私は育てたり面倒を見るなら依怙贔屓は嫌いだから」
「あっ、そうだったね」
 かかしは将軍の今の言葉に応えました。
「君は女の子の軍隊を率いていた時もだったね」
「一人も邪険にしなかったわね」
「そうだったわね」
「私は贔屓は嫌いだから」
「それで皆の面倒を見ていたね」
「軍隊の女の子全員のよ」
 率いていた彼女達全員をというのです。
「そうしていたわ」
「そうだったわね」
「贔屓されている子はいいとして」
 樵も言いました。
「そうでない子は嫌になるからね」
「だからよ」
 それでというのです。
「そんなことは絶対にしないの」
「そうだよね」
「そもそもオズの国で贔屓をする人はいないわね」
 将軍はこのことからお話しました。
「そうね」
「そんな人はいないね」
「一人もね」
 かかしだけでなく樵も答えました。
「オズの国にはね」
「そんな人はいないよ」
「そうしたことは悪いことだから」
「悪いことをする人はこの国にはいないからね」
「幸せは皆でなるものよ」
 ドロシーも言います、今度はアイスクリームを食べています。
「だからよ」
「それで、でしょ」
 将軍は林檎のタルトを食べつつ応えました。
「私もなのよ」
「そうしたことはしないわね」
「絶対にね」
 何があってもというのです。
「そうしているわ」
「そうよね」
「だからうちの人も赤ちゃんもシュガーもね」
 皆というのです。
「公平にね」
「愛情を注いでいるのね」
「そうしているわ、ただ一番好きな食べものだと」
 将軍はその桃饅頭今はご主人が食べているそれを見て言いました。
「美味しくなるのね」
「好みはどうしても出るからね」
「だからよね」
「それは出てね」
 そしてというのです。
「そうなるわ」
「そうよね」
「けれどあらゆる人やものに公平な気持ちもね」
 その感情もというのです。
「貴女には出ているわ」
「そうである様に努力しているし」
「いいことよ」
「贔屓は本当に駄目よね」
 アン王女もチョコレートケーキを食べつつ頷きます。
「されない人達が可哀想だから」
「本当にね」
「そう思うと僕達も気をつけないといけないですね」 
 カルロスはチェリーパイを食べつつ思いました。
「外の世界に戻った時も」
「そうだよね」
「贔屓されない子が可哀想だから」
「公平でいないとね」
「差別したりも駄目よね」
 四人も頷くことでした。
「皆同じだし」
「そう思うと誰も贔屓しないで差別しない」
「それが一番だね」
「公平で平等であることが」
「いつも先生やお父さんお母さんに言われているけれど」
 そえでもとです、カルロスは言いました。 
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