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魔道戦記リリカルなのはANSUR~Last codE~

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Saga22-F最終侵攻~Battle of the central 2~

†††Sideはやて†††

ルシル君とアイリの死を受け入れられずに2週間近くも引き籠ってた私は、その分の時間を取り戻すために今日の任務は必ず完遂するって意気込んでる。大切な息子フォルセティに、父親のルシル君の真似までさせたダメな母親や。少しでも頑張らなアカン。
そうゆうわけで、私とアインス、シグナムとアギト、ザフィーラの5人は、ミッド中央区アンダリアのロストロギア研究所に赴いて、研究所に保管されてるロストロギアを狙って襲撃を仕掛けてくる“T.C.”を迎撃するべく待機中や。

「みんな、神秘カートリッジはしっかり持っとるな? アレがあらへんとT.C.相手には戦えへんやろうからな」

襲撃予定時刻までもうちょいあるから、自分たちの武装の再確認を行う。私は完全魔力運用機として改造された“ストライクカノン”1門と“フォートレス”を最終チェック。
私のデバイスである“シュベルトクロイツ”と“夜天の書”はどちらもストレージデバイスとゆうことで、神秘カートリッジを機能させるのに必要なカートリッジシステムを持ってへん。それなら神秘魔力を打ち出せるように改造されてるこの2つに武装を使った方が戦力となる。
シグナム達もカートリッジの本数をしっかりと再確認。いつでも戦闘が出来るように準備を整えたところで、空に魔力反応が生まれた。まさかのフライングに「戦闘用意!」って指示を出した。

「「「『了解!』」」」

――広域剣兵召喚レギオン・オブ・ドゥームブリンガー――

空から降ってきたのは大量の魔力剣。それぞれ回避行動に移る中、「結界班! 接敵と同時に結界!」と、研究所の屋上に待機してる班に指示を出す。私たちと“T.C.”を結界内に隔離することで安全を保つってゆう作戦や。“T.C.”も幹部がガーデンベルグ以外おらんくなったことで弱体化してるってゆうのがシャルちゃんの推測で、魔術全盛期の魔術師クローンもそんなにいないはずだって話やな。

(そやけど、今の攻撃には神秘が付加されてた。実はまだまだ居ったんか、もしくは残り少ない魔術師が偶々こっちに来たか。どちらにしろいきなりの攻撃や。執行妨害で引っ張れる)

『こちら監視班! 申し訳ありません、敵の接近に気付けませんでした! 本当に突如として出現したのです!』

「了解です! こればかりは仕方がないので気になさらず!」

――アルゴス・ハンドレットレイ――

――ガストラフェテス――

「監視班、そちらから敵影を確認できますか!?」

続いて空から降ってきたのは、赤黒い砲撃の雨。それらが地面に着弾してコンクリートの破片や土などをまき散らした。さらに、すっごく大きくした釘のような紫色の魔力砲弾も、回避したばかりの私たちを正確に狙撃してくる。肉眼では捉えられへんからよっぽどの高高度からの攻撃なんやろうけど、砲撃でここまで精密狙撃なんて・・・。

(この魔法、この魔力光・・・。まさか、な・・・)

『魔力発生ポイントを発見しました! ステルス系の何かしらを使用しているのか姿を視認できませんが、高度およそ1万2千にて魔力反応を2つ確認できます! 移動を確認次第、その都度報告します!』

「了解です!・・・とゆうか、さっきから私ばっか狙うようになってへん!?」

――バレットダムネーション――

――ガストラフェテス――

魔力弾が何百発と降る中で砲弾がこれでもかってくらいに私にだけ集中して降ってくる。普通の砲撃や高速砲より砲速が早いし、明らかに貫通効果を持ってますって判るくらいの鋭利な砲撃や。回避するのもしんどい。

(こうゆう場合のフォートレス!)

胴体に装着してる“フォートレス”のメインユニット、その両腰のカートリッジユニットを起動させる。シャルちゃんが込めてくれた“フォートレス”専用カートリッジをロード。背部のエネルギー翼生成機から一対の翼を展開して、機動力を活かして回避を続行する。その最中でも反撃のタイミングを計るんやけど、なかなか“ストライクカノン”や砲門持ちのS1やS2を向けられへん。意地の悪い集中砲火やな。きっと性格悪いわ、この砲撃手。

「我が主。我が盾役を引き受けます」

「ザフィーラ・・・。うんっ! 盾の守護獣の真価、連中に見せたって!」

「承知!」

――狼王の鋼鎧・発――

ザフィーラは両腕に装着してるガントレット型デバイス・“ヴォルフ・ヤークト”のカートリッジをロードして、全身から魔力フィールドを発生させた。本来の鋼鎧はピッタリと体を覆って攻防力を増大させるものやけど、このバリエーションは防御力増特化で、しかも範囲を拡げて複数人を護れる城塞のようなものや。

「来るがいい!!」

両手を空に突き出して砲弾の着弾に備えるザフィーラ。すぐに1発目の砲弾がフィールドに直撃したんやけど、砲弾は僅かに突き刺さっただけで貫通はせえへんかった。さらに爆発してもザフィーラのフィールドを貫けへん。

『こちら監視班! 魔力発生ポイントの座標を送ります!』

「(反撃するなら今や!)エクサランスカノン・フルバースト!」

監視班から送られてきた砲撃手の座標をモニターで確認しつつ、砲門の先端だけをフィールドの外に出して、“ストライクカノン”とS1とS2の三射砲撃を放った。

「アギト! こちらも狙撃で対応するぞ!」

≪Explosion. Bogenform≫

“レヴァンティン”を狙撃用のボーゲンフォルムにしたシグナムは矢を番えつつ、魔力弾の雨の中を二対の炎の翼を翻しながら回避を続けて、アインスも「来よ、白銀の風、天よりそそぐ矢羽となれ」って詠唱を終えた。そんなアインスの頭上に大きなベルカ魔法陣が展開されて、三方の陣から超長距離狙撃を行える砲撃が次々と発射され始めた。

「シュツルムファルケン!」

続いてシグナムも矢を射た。矢は一直線に空へと走って、ある一定の高度で爆発を起こした。アインスの砲撃連射のおかげもあるんか攻撃がピタッとやんだ。少し待っても攻撃が続行が再開がされへんから、ザフィーラがフィールドを解除した。
それでも攻撃が再開されへんな~って考えてたら、『こちら監視班。空から何か、アレは・・・あ、紙が降ってきました。注意してください』って連絡が入って、確かに数十枚とヒラヒラ振ってきた。左手に持つ“シュベルトクロイツ”を脇に挟んで、開けた左手で目の前に振ってきた紙を手に取った。

「これ・・・! 魔導書のページ・・・!?」

記されてたのは魔法のプログラムやった。そう、私の“夜天の書”やリインの“蒼天の書”のような魔導書型のストレージや。しかも「コレ、私のクラウ・ソラス・・・?」の発動プログラムに酷似してた。他にも私の扱う魔法と似たようなものが記されてる。

(とゆうことは、やっぱり今の攻撃の主は・・・!)

「フンッ。2週間もめそめそ、じめじめと醜態を晒して引き籠っておった貴様には随分とイライラしておったが、元気になったらなったで当たらなかったとはいえ反撃してきたことにもイライラするわ!」

「「「「っ!!」」」」

『え? なに? シグナム? はやて達も、なに驚いてんの? ていうか、はやての声っぽくね?』

ものっすごい聞き覚えのある口調に喋り方。私だけやなくてアインス、シグナムもザフィーラも驚いてる中、アギトだけが状況を判ってへんみたいや。いやまぁ、あの時・・・“闇の書”の欠片事件の時にはまだアギトはおらへんかったからな。

――セーレマイグレーション――

「「主はやて!」」「我が主!」『はやて!』

――アンサラーシュラーク――

アインス達に名前を呼ばれると同時、背後から魔力反応が急に生まれたことでS3を瞬時に操作して防御態勢に入る。まず金属同士が激突した音が轟いて、遅れて振り向いた私は攻撃してきた相手を視界に収めた。驚きの中に再会できたことへの嬉しさも混じる感情が沸き上がってきた。

「チッ。生意気にも防ぎおって」

「やっぱりや! あの、イジメのような、私だけを狙って来る意地の悪い攻撃! 王様くらいしか思いつかへんもん!」

S3と激突してるんは“王杖エルシニアクロイツ”。杖を握ってるんは私と瓜二つな王様、ロード・ディアーチェが、そこに居た。王様も少し見ぃひん間に大人に成長してる。髪は私と違くてあんま伸ばしてへんけど、王様はショートの方が似合うてるな。あと、ちょう気に入らへんところが1つ。オリジナルの私より・・・おっぱいが大きい。

『結界班。あと1人いるはずです。その姿が確認でき次第すぐに結界をお願いします』

『了解しました』

「何を嬉しそうに笑っておるか戯け・・・って、おい。子鴉、貴様さっきからどこを見ておる?」

「・・・本物なんかこれ?」

摘まんでる紙片をそっと離した左手で王様の胸をムギュッと鷲掴み、そんで一揉み。アカン、本物や。この弾力、偽物のわけない。二揉み、三揉みとしたところで、「このうつけ者が! 誰の許しを得て人の胸を揉んでおるか!」って顔を真っ赤にした王様が怒鳴りながら“エルシニアクロイツ”で殴り掛かってきたから、「おわっと!」“ストライクカノン”の砲身で受け止めた。

「あー! 王様、よう見たら私より身長がちょう高い! 胸のサイズだけやなくて身長までオリジナル超えなんて許されんよ!」

「許してもらおうなど思っておらんわ! ええい! ユーリ! 引き籠りニートを断罪するぞ!」

「引きこも・・・!? ちゃうもん! もうちゃんもん! てゆうか、やっぱりユーリも一緒なんやな!」

王様が“紫天の書”を開けてページの回収を始めると、「ディアーチェ。ちょっと落ち着きましょう」って声と一緒に音もなく王様の背後からスゥっと姿を見せたのは紫天の盟主、「ユーリ!」やった。さっきまで私たちに向けて放たれてたえげつない弾幕の発動主がユーリやって考えは正しかったな。

「お久しぶりです、はやて、アインス、シグナム、ザフィーラ。それと・・・」

『ん? あたしのことが判んのか?って、シグナムの外見が変わってんだからユニゾン中ってことくらいは判んのか。あたしはアギト、八神アギト。そっちのはやてのそっくりさんの正体とか、シグナムから聞いた』

「はじめまして、ユーリ・エーベルヴァインです」

ユニゾンして姿の見えへんアギトを見るかのようにシグナムの胸の辺りをニコニコと注視するユーリ(あの頃から全然変わってへんな~。可愛らしい子どもの姿のまんまや)に、アギトは思念通話で自己紹介を返した。とここで結界が展開されたんやけど、王様もユーリも対して反応せぇへん。そやから私たちも変にアクションは起こさへんようにする。

『あのさ。シグナムに聞いた話だと、アンタら、お手軽に行き来できないほど遠くの管理外世界に住んでんだろ? だったらなんでT.C.なんて犯罪組織にいるんだ? わざわざ遠路はるばるやって来て犯罪者って・・・。わけ解んねぇんだけど』

「アギトの言うとおりやな。王様、ユーリ。2人・・・だけやないんやろ? シュテル、レヴィ、フラム、アイルも一緒に、T.C.に協力してるんか?」

「・・・T.C.の首領、連中の言葉を借りれば王には借りがあってな。それに・・・同情しておるのだ、あ奴の境遇にな」

「なんや王様らしないな。マテリアルやアミタさんとキリエさんにしか優しくせぇへん唯我独尊キャラやったのに」

「言ったであろうが、あ奴には借りがあると。我らは借りも返さぬ阿呆ではないわ。まぁそう言うわけだ、子鴉ども。我らはあ奴の最期に付き合うため、この力を貸すことを決めた」

「ごめんなさい。敵対しちゃうことになってしまって。あ、でも全力は出さないので安心してください」

心底申し訳なさそうに頭を下げたユーリの背後に浮かぶ赤い靄――魄翼がバサッと翼を広げたような形状に変化した。王様も足元に魔法を発動するためのベルカ魔法陣を展開。こんな至近距離での魔法スタンバイに、シグナムとザフィーラが王様に、アインスがユーリに攻撃を仕掛けた。私は3人に比べて近接戦能力が致命的に悪いから、その場からすぐに後退しつつS1とS2、あと王様の一撃によってヒビが入ったS3を私の元にいったん集める。

「鋼の軛!」

ザフィーラが発動した拘束杭を王様は後退しながら“エルシニアクロイツ”を横なぎに振るって粉砕。そこに燃える“レヴァンティン”による斬撃「紫電一閃!」をシグナムが繰り出した。それに対してユーリが「させませんよ! ヘカトンケイルフィスト!」って右の魄翼を怪物の腕のようなものに変えて射出。

「っ・・・!」

王様からその怪物の腕に対象を変えて“レヴァンティン”を振るって迎撃したシグナム。間髪入れずにザフィーラが飛び蹴り、「牙獣走破!」で王様を狙う。

「この程度で墜ちてくれるなよ!」

――インフェルノ・アドラメレク――

そやけどそれより早く、王様の頭上に直径2mほどのトゲ付き魔力スフィアが4基と生成されて、それらが一斉に降ってきた。インフェルノって魔法に似てることからバリエーションの1つやろうな。トゲが付いたり大きくなってたりと大幅に強化されてるけど弾速は遅い。
攻撃を中断してその場から離脱したシグナムと、逆に王様と肉薄することで効果範囲から逃れたザフィーラを確認。そんで私は、攻撃を撃ち終えたばかりの王様に向かって“ストライクカノン”での砲撃を「シュート!」の掛け声とともに発射。王様は「ふんっ」と鼻を鳴らして余裕で回避。

(避けられはしたけど、王様の追撃を邪魔しただけで十分や!)

王様への警戒をそのままに、アインスへと魄翼の放射面を向けたユーリへとS1の砲門を向けて、「ちょーっと邪魔するよ!」と砲撃を発射。

「ドゥームプレッシャー!」

左の魄翼を腕の形状に変化させて、迫る砲撃を大きな手の平で受け止めて握り潰したユーリは、右の魄翼を「ジャベリンバッシュ!」とゆう槍に変化させて、アインスに向かって射出。アインスは右腕に魔力を纏わせて、腕を横合いから裏拳で殴って明後日の方に殴り飛ばした。魄翼が次の魔法として変化するまでの僅かな間、アインスが右手をユーリに突き出した。

「闇に沈め! デアボリック・エミッション!」

「ア、アキレウスシールド!」

至近距離での広域空間攻撃と、ミッドチルダ式とベルカ式の魔法陣を二重にしたシールドタイプの防御が激突。アインスとユーリが魔力の爆発に飲み込まれた。ユーリの防御の堅さはチーム海鳴の誰もが身に染みてる。そやからアインスの強烈な一撃にも完璧に耐えきるやろ。

(フォートレスやストライクカノンの神秘カートリッジの効果が、私自身の魔法にも乗ればええんやけどな・・・)

無い物ねだりしててもしゃあない。ユーリに“ストライクカノン”の砲門を、S1とS2の砲門を王様へと向けて待機。王様はシグナムとザフィーラの猛攻を“エルシニアクロイツ”や「エヴァラック・シールド!」ってゆう、オートで連続展開されるらしい小型のシールドで防御し続けてる。驚くべきことはシグナムとザフィーラってゆう優秀な近接騎士を2人同時に相手してながら、王様の防御がなかなか崩れへんってことや。しばらく見ぃひんうちに近接戦にも強くなってる。

「悔しいな・・・」

ふつふつと湧き上がってくる嫌な気持ちを振り払うかのように、私はシグナムとザフィーラから距離を開けた王様に「シュート!」砲撃を発射。まずS1の砲撃が王様に着弾・・・はせぇへんかった。シールドが完璧に防いだからな。続いてS2の砲撃が2つの目のシールドに阻まれた。

「紫電清霜!」

追撃に繰り出されたシグナムの居合が、王様の“エルシニアクロイツ”に拒まれた。そやけどその一瞬の間にザフィーラが王様に肉薄して、「滅牙!」って右拳をお腹に打ち込んだ。王様は「ぐぅぅ!」って苦悶の声を零して殴り飛ばされた。

「うああああああ!!」

そんな時に「アインス!?」の悲鳴が聞こえた。そっちに目を向けると、怪物の腕に捕まったアインスが、その腕ごと研究所を囲う塀に突っ込まされた。さらにユーリは「あなたは強いので、このまま足止めに徹しさせていただきます」って魄翼を大きく広げた。

「カノン!」

瓦礫の中で立ち上がろうとしてるアインスの元にS3を向かわせ、さらに追撃を止めさせるために“ストライクカノン”のトリガーを引いて砲撃を発射。ユーリは攻撃態勢に入ってたことで回避も防御も出来ず、砲撃の直撃を受けた。火力も防御力もとんでもないユーリやけど、攻撃発動時は動けへんって弱点がある。そこを狙えば今みたいに攻撃を当てられるんやけど・・・。

「目がチカチカします~。お返しですよ~!」

――アルゴス・ハンドレットレイ――

まったくダメージが入ってへん。そんで魄翼の放射面から発射される何十発ってゆう砲撃。私や復帰した直後のアインスだけやなくて、シグナムとザフィーラも攻撃範囲に入ってたから回避に移った。

「そう言えば貴様らには初お披露目か?」

王様が“エルシニアクロイツ”の柄を両手で握りしめて、その先端を私たちに向けると、先端の剣十字に環状魔法陣を4つ、杖先にベルカ魔法陣を1枚と展開した。

「せいぜい当たらぬように踊るがよい!」

――ゲイアサイルLMG――

魔法陣の放射面から放たれたのは高速砲の連射やった。王様がよく使ってた直射砲アロンダイトより魔力が圧縮されてて、その威力はすさまじいと思う。しかも魔力の増大に収束、安定に加速ってゆう効果を持つ環状魔法陣が展開されてることで、威力が減衰しやすい高速砲が威力を維持したままで連射されてる。

「シグナム、ザフィーラ! 2人はアインスと一緒にユーリをお願いや! 王様は私ひとりでなんとかする!」

「「「しかし・・・!」」」

「心配してくれるんはありがたいけど、今はごめん、受け入れて!」

「はっはっは! よいぞ、子鴉! この王が手ずから遊んでくれるわ! ユーリ! 残りは任せるぞ!」

「はい! 頑張ります!」

王様も受けてくれるようで砲撃をやめて、近くに居るシグナムとザフィーラを完全をスルーして私の居る高度まで上がってきてくれた。その様子からアインス達も私からのお願いを受け入れてくれたようや。王様からの指示にユーリも「ふんす!」って意気込んでる。

「王様と1対1で闘うのっていつ以来やっけ? 闇の欠片事件やったかな?」

「憶えておらん。が、そのような些末な事、今さら思い出すまでもあるまい? 何せ現状においては我の方が強いのは確かなのだ。そのような兵装を身に着けねば魔力に神秘を載せられん貴様に、我が負ける道理など無いのだからな」

「そう、それや。さっきからずっと気になってたんやけど、どうして王様もユーリも魔術が使えてるん? カートリッジシステムのデバイスも持ってへんみたいやし、私みたいな兵装も無し。すずかちゃんのように他の人に神秘を付加させてるわけでもなし」

「知りたければ、まずは我に一撃を入れてみよ子鴉!」

――アンサラーシュラーク――

“エルシニアクロイツ”での直接打撃を、“フォートレス”の機動力を活かして回避した私は「ええよ! 一撃やな! 覚悟してな王様!」って返しながらS3を盾として構え、“ストライクカノン”の砲撃を準備した。
 
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