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星河の覇皇

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第七十七部第一章 二度目の嵐の前その二十八

「それでだ」
「教師は腐敗する者が出て」
「犯罪を行う様になる」
「生徒に対して」
「学校の中でも汚職が多い」
 横領だの収賄だのいう話も多いのだ、性犯罪や暴力行為といったこと以外にも教師の犯罪行為は多いのだ。
「士官の世界とは違う」
「我々の世界はそれこそ」
「連合軍ならな」
「余計にです」
「士官へのチェックは厳しくだ」
「しかもです」
 少尉も述べた。
「権限はありましても」
「士官としてな」
「絶対者ではありません」
「先任下士官がいる」
 この立場の者達がというのだ、連合軍は下士官の階級が多くそして上級の下士官の権限は尉官以上と言われることも多いのだ。
「彼等に反対されてはな」
「何も出来ません」
「市民の軍隊はそうだ」
「下士官が強いですね」
「エウロパ軍は知らないがな」
 この軍やマウリア軍は階級社会であり士官の方が強い、下士官は先任でも連合軍よりはずっと弱いのだ。
「しかしな」
「少なくとも我々はですね」
「そうした軍隊だ、連合軍は士官はな」
「その通りですね」
「権限はあるが」
 チェックが働き先任下士官という存在があってというのだ。
「腐敗しにくい様になっている」
「そこが教師の世界とは違いますね」
「教師の世界は実にだ」
 彼等はというと。
「非常にだ」
「腐敗しやすいですね
「今私が言った通りにな、まさにな」
「ヤクザ者と変わらない世界ですね」
「仁義があるかどうかは知らない」
 仁義なき戦いという映画のシリーズはこの時代でも残っている、日本のヤクザ社会を描いた傑作と言われている。
「しかしそもそもヤクザ屋の世界に仁義があるか」
「ないですね」
「あの世界は無法だ」
「強い者が法ですね」
「法律の外にある世界だからな」
 義理だの任侠だの言ってもというのだ。
「その実はな」
「裏切り裏切られの」
「そうした世界だ、そしてだ」
「教師の世界もですか」
「やりたい放題の世界でな」
「仁義だのそうしたものがあるか」
「考えてみれば答えは一つだ」
 その答えはというと。
「ない」
「そうなりますね」
「最初から偉いと周りから言われ生徒達に常に上から目線で言えて教えられてな」
「絶対の権力を持っていると」
「自分は何をしてもいいと思う、それならな」
「そうしたモラルもですね」
「ないものだ」
 自然とそうなるというのだ。
「教師の世界は本当に下手をするとだ」
「言うなら権力を持ったヤクザ屋ですね」
「そんなものだ、しかも表向き尊敬されるな」
「碌なものではないですね」
「だからいい人はと言われるのだ」
 教師にならないと、というのだ。 
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