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星河の覇皇

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第七十七部第一章 二度目の嵐の前その二十七

「だからな」
「頭脳を鍛えることですか」
「モラルもな、これは教師とは違うからだ」
「士官は」
「教師はヤクザ者でも出来る」
 連合で実際にある言葉だ、言うまでもなく教師の尋常でない犯罪率の多さから来る言葉だ。
「しかしな」
「士官は違いますね」
「ヤクザ者には務まらない」
「その通りですね」
「軍人自体がだ」
 士官であるなしに関わらずというのだ。
「モラルも高くないとだ」
「軍人にはなれませんね」
「ならず者でなれる筈がない」
 また言う大尉だった。
「質が高くないとな」
「到底」
「そうだ、とてもな」
「そこは違いますね」
「教師とはな」
「本当に教師というものは」
「そう言われても仕方がない」
 いい人は教師にならない、そこまでだ。
「あそこまで酷いとな」
「全くですね」
「ただ教壇に立ってふんぞり返っていてはな」
 それだけではというのだ。
「雑務はしても」
「それだけ先生先生では」
「まともにならない」
 こう言うのだった。
「おかしな奴は余計におかしくなる」
「先生と言われて尊敬されて」
「生徒に頭を下げられていてはな」
「だからですね」
「ああした輩が多くなる」
 大尉の口調は厳しかった。
「それも当然だ」
「偉いと言われてですね」
「本当に自分が偉いとだ」
 大尉はここでこう言った。
「勘違いするのだ」
「そうしてですね」
「生徒を下に見てな」
「何をしてもいいと思う様になるんですね」
「自然にな」
「偉い偉いと言われて」
「勘違いするのだ、教師はな」
 この職業の者達はというのだ。
「そうした輩が出てしまう」
「残念ながらですね」
「そうだ、そしてだ」
 大尉は少尉にこうも話した。
「生徒に対してな」
「やりたい放題に出るのですね」
「教師は生徒を教える、指導する立場でだ」
「学校では絶対の存在ですね」
「生徒に対してな、つまりだ」
 絶対者、だからだというのだ。
「権力者だ」
「そう言ってもいいですね」
「それも学校という閉鎖された世界でのな」
「しかも外からのチェックの届きにくい」
「チェックされない権力なぞな」
「どれだけ腐敗しやすいか」
「わかったものではない」
 これはどの社会でも同じだ、チェックが働らかない権力程腐敗しやすく恐ろしいものになるものは他にはないのだ。 
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