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星河の覇皇

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第七十七部第一章 二度目の嵐の前その二十六

「それでもな」
「論文が多ければ」
「優れたそれがな、そうなればな」
「連合軍もやがてですね」
「今より強くなる、だから書いていこう」
 論文、それをというのだ。
「我々もな」
「連合軍を強くする為にも」
「厳格な訓練はしていない」
 連合軍の特徴の一つだ、これは各国軍も同じだ。
「しかしな」
「強い、優れた軍隊はですね」
「訓練だけではない、訓練は緩くてもだ」
「強い軍隊には出来ますね」
「科学的、合理的な研究もな」
 それもというのだ。
「強い軍隊を形成していくのだ」
「訓練だけではないですか」
「頭脳でも戦う、脳筋という言葉もあるな」
「身体を動かすだけで」
「何も考えていない、考えてもな」
 その思考もというのだ。
「禄な考えではない」
「そうした輩ではですね」
「連合軍、ましてや士官としてどうか」
 その資質があるか、大尉は少尉に問うた。
「脳筋でな」
「まさか」
 少尉も大尉のその問いに即座に返した。
「返答は一つです」
「そんな筈がないな」
「学校の教師でもいますが」
「脳筋がだな」
「教育者の資質はありません」
 そうした教師には、というのだ。
「だからいい鉄は釘にはならずと言われます」
「いい人は教師にならないとな」
「そうです」 
 この言葉は元々はいい人は兵隊にはならないと言われていた、かつての中国では兵士になるのは浮浪者かならず者が食い詰めてだったのでこう言われたのだ。だが二十世紀後半の日本の教師のあまりもの質の悪さからこう言われる様に変わったのだ。
「そう言われます」
「いい先生も多いがな」
「悪い先生になりますと」
「本当にそうした人間がいるからな」
「その通りですね」
「教師の犯罪率は異常に多い」
 連合では長い間それこそ連合建国以来職業別犯罪率のトップそれも暴力団員という職業ではない者達と同率なのだから恐ろしい。
「性犯罪に傷害、窃盗とな」
「多いですね」
「あの犯罪率の多さを見るとな」
「いい人は教師にならないともですね」
「言える」
 現実としてそうだというのだ。
「私もそう思う」
「全くですね」
「脳筋が教師になるとそうなる様にだ」
 他には人格障碍者や元々モラルに問題のある輩等もだ、とかく教師は悪質な輩が多い。連合の深刻な社会問題の一つだ。
「士官はどうか」
「それを反面教師としてですね」
「質を高めないとならない」
「その通りですね」
「そうだ、士官ならな」
「是非共」
「論文も書き頭脳とモラルを鍛えることだ」
 その両方をというのだ。
「そうしてだ」
「強い軍隊を築いていきますか」
「そうすべきだ、少しずつでもな」
「徐々にですね」
「訓練ではなく知識、そして技術でだ」
「強い軍隊をしていくべきですか」
「艦は頭脳で動くものだ」
 それを使ってというのだ。 
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