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星河の覇皇

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第七十七部第一章 二度目の嵐の前その二十五

「そうしてなるからな」
「だからですか」
「もう軍の方でもだ」
「大卒ということで」
「論文を書けて当然とみなしてな」
「論文やレポートもですか」
「書くことになっている」
 当然としてというのだ。
「それだけの資質があるともみなされてな」
「そういうことですね、まさかここまでです」
「論文を書くとはな」
「士官学校に入った時は」
 まだその頃はというのだ。
「思いも寄りませんでした」
「私もだ、入隊した時はな」
 かく言う大尉もだというのだ。
「まさかな」
「ここまで論文を書くとはですね」
「思わなかった」
「士官は何かとですね」
「論文を書くな」
「発表もさせられます」
「何かと研究だ」
 それを行う、もっと言えば行わさせられるというのだ。
「士官はな」
「そしてその研究がですね」
「蓄積されてな」
「強い軍隊を作る」
「そうなりますね」
「連合軍は弱いと言われる」
 これは内外での評価だ、とかく連合軍は装備や数、システムで戦い将兵の質は大したことがないと言われているのだ。
「しかしな」
「こうしてですね」
「観戦の研究や論文を蓄積していくとな」
「いいですね」
「そうだ、それが次第にだ」
 知識として蓄積されてというのだ。
「強い軍隊にしていく」
「そうなりますね」
「優れた論文が多い大学はどうか」
「大学として優れている要素の一つですね」
「それでだ、軍隊も」
「論文が多いとですね」
 優れたそれがとだ、少尉も述べた。
「それだけで」
「違う」
「優れた軍隊となっていきますね」
「精強な、な」
 そうなるというのだ。
「だからだ」
「我々もですね」
「優れた軍隊を築く為にな」
「論文を書いていくことですね」
「そうだ、書いていくぞ」
「わかりました、士官として」
「是非な、しかし連合軍はおそらくな」
 その論文についてだ、さらに話した大尉だった。
「士官一人当たりで最も多く論文を書いている」
「そうなっていますか」
「そう思う、そしてだ」
「士官もっと言えば軍人が多いだけに」
「論文の数も多い」
「そうなっていますか」
「一ヶ月の論文だけで相当な量だ」
 百三十億の軍隊の中で士官の数も相当だ、その彼等の中で結構な数の者が論文を書いていっているからだ。
「それが蓄積されるとな」
「それだけの多くの論文が」
「玉石混交にしてもな」
 当然悪い論文もある、同じ人間が書いてもその時々で出来不出来がどうしても出来る。だから論文の質もそれぞれなのだ。 
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