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星河の覇皇

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第七十七部第一章 二度目の嵐の前その十八

「街の警察呼んでな、NPCの」
「そうして対処してるか」
「とんでもなく強くて酒乱の奴は」
「ゲームの中のあんたが追い出すんじゃなくて」
「NPC頼りか」
「そのゲームの警察はドラゴンより強いんだよ」
 ゲーム中のこのモンスターよりもというのだ、言うまでもなくドラゴンはどの作品世界でもまず確実に最強格のモンスターである。
「これがな」
「凄い警察だな」
「そんなところには誰も攻められないな」
「ドラゴンより強い警官がいたらな」
「絶対に勝てないな」
「それも一人一人がだ」
 警官一人一人がというのだ。
「ドラゴン以上に強い」
「おい、それ凄いぞ」
「どれだけ鍛えられてる警官なんだ」
「一人一人がドラゴン以上に強いとかな」
「最強過ぎるだろ」
「だから街で喧嘩とか盗みとかしてもな」 
 そうした悪事を働いてもというのだ。
「すぐに対応されるんだよ」
「一人一人がドラゴンより強い警官が来てか」
「あっさりねじ伏せられるんだな」
「どんな強いプレイヤーでも」
「そうだよ、あんまり強くてな」
 その警官達がだ。
「御前等が魔王倒しに行けとか言われてるよ」
「そりゃ言われるな」
「普通にドラゴンより強いとな」
「当然としてな」
「ああ、けれどお陰で街の治安はいいぜ」
 ゲームの中ではというのだ。
「それもかなりな」
「そうだろうな」
「そりゃそうなるな」
「警官がそれだけ強いとな」
「やっぱりな」
「街を出るとモンスターがうじゃうじゃいるけれどな」
 それでもというのだ。
「街の中は平和だぜ」
「そもそもモンスターが街に出るゲームシステムじゃないだろ」
「そのゲームだとそうだろ」
「そもそもな」
「そうじゃないのか?」
「そうだけれどな」
 笑って認めた、この大使も。
「とにかく警官が強いんだよ」
「ドラゴン以上にか」
「じゃあ初心者が悪いことしたらアウトだな」
「絶対にやっつけられるな」
「それで牢獄行きか」
「そうなってるんだよ」
 まさにその通りだというのだ。
「これがな、こっちでも通信してくれてるからな」
「じゃあこの世界でもそのゲーム出来るか」
「それで君も今もか」
「ゲームを楽しんでいるか」
「そうしているよ、何しろ暇だからね」
 連合各国の連合以外の国つまりマウリアやサハラ各国の大使にいる者達の常だ、大使である彼等にしてもほぼ留守番状態で暇なのだ。
 それでだ、この大使も笑って言うのだ。
「だからだよ、勤務時間の間も暇だと」
「そのゲームをしているのかい」
「普通に」
「そうしているんだね」
「本国からは勤務時間の間は大使館にいる様に言われているんだ」
 その様にというのだ。
「若しくはこうして他国の外交官とのお話だね」
「ははは、喫茶店での談笑だね」
「その実は」
「大使館にいてもいるだけだね大抵は」
「朝に集めた情報を送ってね」
「ネットから適当に」
 他の国の大使達も笑って応えた。 
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