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星河の覇皇

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第七十七部第一章 二度目の嵐の前その十七

「だからな」
「戦争が終わ手もどうしてもな」
「仕事は続くな」
「じゃあな」
「暫くはああした状況だな」
 一日中仕事がある状態だというのだ、こうしたことを各国の大使達も見て情報を本国に流すのだが。
 彼等は連合から見れば僻地に送られている待遇はいいが留守番みたいなものである。本国からも特に何も言われないので。
 仕事はそこそこにしてだ、次はこんな話をした。オムダーマン国防省がよく見える喫茶店の中に集まったうえで。
「最近面白いゲームないか?」
「連合でか」
「何か面白いゲームか」
「それがないか、か」
「ああ、ないか?」
 遊ぶゲームの話になっていた。
「コンピューターゲームでもスマホでも」
「ネットでいいゲームがあったぞ」
 アフリカのある国の大使が言った。
「ファンタジー系のな」
「ファンタジーのか」
「ああ、面白い」
 そのゲームはというのだ。
「その世界でいるだけでな」
「それ何てゲームだ?」
「ファンタジー?異世界だな」
「異世界の住人になってか」
「その中で遊ぶゲームか」
「私はその中でフロッグマンになっている」 
 アフリカ某国の大使は自分の遊び方のことも話した。
「フロッグマンの商人だ」
「フロッグマンのか」
「それで商人か」
「蛙っていったら水か」
「じゃあ水商売をしてるのか」
「ああ、バーを開いてな」
 文字通り水商売だった、このことは駄洒落だった。
「そうしてな」
「そこに来る客の相手してるか」
「フロッグマンになって」
「カクテルとか出してか」
「それで遊んでるんだな」
「ああ、結構繁盛してるぜ」
 そのバーはというのだ。
「中々な、ただな」
「ああ、バーとかはな」
「どうしてもな」
「変な客も来るな」
「酒乱の客も」
「どうしてもな」
「そうした客は私が自らな」
 大使、ゲームの中の彼自身がというのだ。その世界ではフロッグマンになっているがだ。
「追い出しているさ、そっちの世界じゃ鍛えているからな」
「おいおい、ガチムキのフロッグマンか」
「用心棒も兼ねたマスターか」
「それも凄いな」
「それはまた極端だな」
「凄い設定にしたな」
「冒険とか闘技場には出ないけれどな」
 それでもとだ、アフリカ某国の大使は笑ってさらに話した。
「迷惑な客はな」
「あんた自らがか」
「追い出してるか」
「タチの悪い酔っ払いとかは」
「そうしてるんだな」
「ああ、しかし時たまとんでもなく強い客が来てな」
 そしてというのだ。
「そいつが酒乱だったりするんだよ」
「凄腕の冒険者で酒乱とかか」
「それは確かに酷いな」
「もうそれこそな」
「最悪だな」
「ああ、そうした客はもうな」
 ゲームの中の自分ではどうしようもないからだというのだ。 
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