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とある3年4組の卑怯者

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4 遊戯(ゲーム)

 
前書き
 リリィの歓迎会にて花輪と仲良さげにしているリリィに対してみぎわが激怒して彼女に詰め寄る!!それを真っ先に止めようとしたのは藤木だった!! 

 
 藤木はみぎわに近づいた。
「リリィはそんなこと考えていない!!第一、リリィは君が花輪クンを好きだなんてそこまではよく知らないはずだ!!」
「フンッ!何よアンタ、邪魔しないでよ!!」 
「だからって転校してきたばかりの子にそんな怒鳴って嫌な気分にさせて・・・。そんな酷い歓迎会があるか!!君は他の女の子が花輪クンと話しているだけですぐ嫉妬(ヤキモチ)を焼くじゃないか!花輪クンは君だけのモノだなんてそんなの間違っている!僕だってリリィは好きだし花輪クンとこんなにいい感じになっているのは羨ましいよ!!でも好きな人が他の人と仲良くしているからってただ怒ればいいのか!?」
「煩いわね!アンタに私の気持ちの何が分かるのよ!?フンッ!」
「分からないさ!でも・・・、喧嘩しかけて歓迎会を台無しにする方が最低だよ!」
「何ですって!?アンタ卑怯の癖にこんな時に正義ぶって調子に乗ってんじゃないわよ!!」
 二人の激しい口論の中、花輪が仲裁に入る。
「まあまあ、二人とも落ち着き給え。こんな祝福の時間に争い事は良くないよ、Baby」
 はまじも止めに入った。
「そーだぞ、二人ともこんな時に喧嘩なんてみっともねーぞ!」
 藤木は我に返った。
「う・・・、ごめんよ、ついカッとなって・・・」
 みぎわも落ち着きを取り戻した。
「ごめんね、花輪クン~、やっぱり花輪クンは私のことを想っているのね~」
「そ、そういうわけじゃないけどね・・・」
 藤木はリリィにみっともない姿を見せてしまったと思い自分が恥ずかしくなった。
「お~い、藤木君、すわれよ~」
 山田が笑顔で行った。
「あ、うん・・・」
 藤木は自分が座っていた席の椅子に戻った。リリィは藤木を見ていた。藤木に対してどういう思いで見ているのか、藤木には分らなかった。
 そのとき花輪がこの後の提案をした。
「それじゃあ、お菓子を食べた後は何かgameをしようじゃないか、everybody」
「そうだな、賛成ブー!」
 
 皆は別の部屋に移動した。
「何やろうかね~」
 まる子が尋ねた。
「リリィ、イギリスではどんな遊びやるのか教えてくれよ、それやろーぜ!」
 はまじが提案した。
「そうね、イギリスではWhat's the time Mr.Wolf?っていうのをよくやったわね」
「ワッツ、ザ、タイム・・・って、なんだそりゃ?」
 花輪が説明した。
「ああ、それは日本語で言うと、『オオカミさん、何時ですか?』っていう意味で、ruleは鬼ごっことだるまさんが転んだを合わせたようなものさ」
「まずオオカミの人を決めてオオカミの人は壁に向かって立って他の人はオオカミの人から離れて立つの。他の人はオオカミに向かって『今何時ですか?』って聞くの。オオカミの人はそれに対して何時か答えてその数だけ他の人は歩くの。例えばオオカミが5時って答えたら5歩、8時って答えたら8歩歩くのよ。そしてオオカミの人は気配を感じてきたら『晩御飯の時間だ!』って答えて振り向いて皆を追いかけて、皆は逃げるの。オオカミに捕まった人が次にオオカミをやってあとはまた同じことを繰り返すの」
 リリィがルールを詳しく説明した。ブー太郎が質問する。
「オオカミが晩御飯の時間を言うタイミングは何回目に言わなきゃいけないとかいう決まりはあるのかブー?」
「いや、何回目にいうかは自分で決めていいのよ。気配を感じた時だからね」
「それじゃあ、始めよーぜ!」
「みんな初めてだから私がまずオオカミやるわね」
 皆は部屋から庭に移動した。リリィがオオカミ役となり皆は散らばった。
「何時ですか?」
「今、7時です」
「っていうことはオイラたちは七歩進めばいいんだなじょ~」
 皆は7歩進んだ。
「何時ですか?」
「9時です!」
 リリィの返答に対し、皆は9歩進んだ。
「何時ですか?」
「・・・晩御飯の時間!」
 リリィが振り返って追いかけた。その時藤木は・・・。
(リリィに迷惑かけたし、わざと捕まろうかな・・・)
 しかし、捕まったのは丸尾だった。
「丸尾君がおおかみだじょ~!」
「うう~む、次でリベンジでしょう!」
 丸尾がオオカミとなった。そして、次は山田、たまえとオオカミが変わった。
 そして、藤木がオオカミとなった。
「何時ですか?」
「5時です」
「何時ですか?」
「4時です」
「何時ですか?」
「6時です」
(リリィ以外を狙おう・・・)
 藤木は心の中でそう考えていた。
「今何時ですか?」
「晩御飯の時間です!」
 藤木は追いかけた。
(リリィを捕まえてはならない・・・)
 藤木はリリィ以外を追いかけようとした。みぎわがいる。よし、みぎわを捕まえよう。藤木はそう思った。
 藤木はバン!とみぎわの背中をタッチした。
「フンッ!あんた、よくも私を捕まえたわね!さっきの恨みでしょ!!」
「い、いや、そんな事ないよ!」
 みぎわが藤木に詰め寄った。
「まあ、まあ、gameなんだから、怒るなよ、Baby」
「そうだったわね、ゴメンナサイ、花輪クン」
 その後もゲームは続き、そして日が暮れた。 
「それではEverybody、お開きにしようか」
「皆さん、今日は楽しかったわ。今度やるときは日本の遊びをやりたいわね」
 リリィは皆に感謝をした。
「なら、また今度はカルタとかすごろくとかをやろうか!」
 まる子が提案した。
「いいなブー!」
 ブー太郎も賛同した。こうして皆はそれぞれの家へ戻った。その時藤木はみぎわとの揉め事を未だ気にしていた。
(リリィの前であんなにみぎわに怒ってしまった・・・。リリィも流石に僕を変な奴だと思ったに違いない・・・)
 藤木は後ろ向きに考えた。

 その一方、リリィはヒデじいの車で家に送って貰っていた。
「花輪クン」
「何だい?」
「藤木君って私の事、あれだけ好きだったのね。だから、あのみぎわさんって人から私を庇ってくれたのよね?」
「まあ、そうだね」
(そうだ・・・)
 リリィはある事を思いついた。自分をみぎわから庇ってくれた藤木に礼をしたいが為に。 
 

 
後書き
次回:「二日目」
 家に帰ったリリィは、藤木の行動に対してある事を計画する。翌日、藤木はみぎわと喧嘩した事を気に病みながら登校している途中、リリィと遭遇する。そして昨日の事で礼を言われた藤木は・・・。

 一度消えた恋が蘇る時、物語は始まる・・・!! 
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