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八条学園騒動記

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第五百九十八話 能力と人気その十

「わからないか」
「そうなんだ」
「成程な」
「それでね」
「そうした奴が何をしてもか」
「支持し続けるんだ」
 そうなるというのだ。
「自分の信じたいものだけを信じてね」
「違うって誰が言っても聞かないか」
「おかしな人を支持し続けるよ、読む本やニュースも」 
 そういったものもというのだ。
「同じ様な偏ったものだけで」
「考えが凝り固まるんだな」
「間違ってもまともな本なんて読まないから」
 そうなっているとだ、菅は話した。
「文学とか経済とか貿易とか」
「そういったものはか」
「政治をやたら語るのにまともな政治学の本も一切読まないよ」
「偏った本ばかりなんだな」
「自分と同じ様な考えの人が書いた本ばかりね」
「それじゃあ幾ら本を読んでも進歩しないな」
 菅は冷めた目で言った。
「そんな奴は」
「そうだよね」
「それでずっとそのままだな」
「下の下のままいや」
 菅は自分の言葉を言い換えた、その言葉はというと、
「下の下の下以下のね」
「最低か」
「その域にいて」
 そしてというのだ。
「そこから絶対に出ない人達だよ」
「同じ様な本ばかり読んで自分の信じたいことだけを聞いて信じていたらな」
「もう絶対に進歩しなくて」
 それでというのだ。
「頭の悪い人達同士で集まったままね」
「やっていくか」
「もう何もね」
 それこそというのだ。
「成長しないままで馴れ合っていくんだ」
「絶対にいたくない世界だな」
 フックは言い切った。
「それこそ」
「最底辺のまま出ないからね」
「本当に何も得られないな」
「それでね」
 そのうえでというのだ。
「気付くだけの頭がある人は気付いて」
「出て行くな」
「ちゃんとした話を聞いて」
 そうしてというのだ。
「事実を知っておかしな人もね」
「支持しなくなるか」
「そこから出て」
 その下の下の下以下の世界からである。
「まともな本も読んでいって」
「成長するな」
「そうなるけれど」
「そんな馬鹿共はか」
「ずっとそのままでね」
「馬鹿であり続けるか」
「そうだよ」
「世の中そんな奴もいるんだな」
 フックはしみじみとした口調で述べた。
「どうしても」
「そうなんだ」
「馬鹿も色々いるが」
「笑える頭の悪い人もいてね」
 それでというのだ。
「可愛げのあるそうした人もね」
「いてか」
「そうしたどうにもならないね」
「最低の馬鹿もいるか」
「もうここまでくると」
「付ける薬がないな」
 フックも言った。 
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