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八条学園騒動記

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第五百九十八話 能力と人気その九

「おかしな政治家は害だってね」
「わかっておくことだな」
「中身のない政治家は特にね」
「あと出鱈目な政策言ってな」
 フックはこうも言った。
「それがかえって注目されてな」
「人気が出る場合もあるね」
「どう見てもおかしいのにな」
「うん、何かあるとフェイクとか言って」
「相手をやたら罵倒してな」
「もう政策もハチャメチャで」
 菅はあえてこの表現を使った、こう表現するのがこの場合一番だと思ってそれでここで使ったのである。
「短期的には豪快で思いきりがよくても」
「長い目で広く見るとな」
「駄目だっていうのでもね」
「いいって奴も出て来るな」
「そして中にはね」
 菅はさらに話した。
「所謂頭の悪い人だね」
「馬鹿か」
「世の中上には上がいるけれど」
 俗に言われることだ、この時代でも。
「下には下もね」
「いるか」
「うん、だからね」
「そんな奴はか」
「もう誰が見ても駄目な人でもね」
「支持するか」
「その人がどんどんおかしなことをしても」 
 目の前でそうしてもというのだ。
「選挙に負けても不正だとか根拠を出さずに言い続けたり不正はなかったって言う部下の人を解任してもね」
「不正がなかったって言ったらな」
「しかもそうした情報担当の人がだよ」
「もう不正はなかったな」
「そう思うのが筋だよね」
「普通はな」
「けれど下には下がいるから」
 菅はまたこう言った。
「それでね」
「その下の奴はか」
「本当に頭が悪いから」
 菅は下品な表現を使いたくない為にあえて馬鹿だの阿呆だのという言葉を使わずこう表現してフックに話した。
「もうね」
「そうしたこともわからないか」
「国際組織からの脱退ばかり繰り返しても」
「それもまずいよな」
 フックは眉を曇らせて返した。
「孤立していくだろ」
「それでも腐りきった組織から出たとか言って」
 そうしてというのだ。
「国際協力や協調から目を向けても」
「それでもか」
「喝采してね」
 そしてというのだ。
「新しい組織作れとか漢とかね」
「漢じゃないだろ」
 フックはすぐに言った。
「色々なケースあるにしても脱退ばかりしたらな」
「孤立するよね」
「それよりも組織に残ってな」
 国際政治ではというのだ。
「変えていく方がいいだろ」
「脱退ばかりする国が新しい組織作っても」
「自分が気に入らない、嫌だからだった伊計する奴と誰が組むんだ」
 フックはどうかという顔で言い切った。
「そもそも」
「そうだよね」
「誰がついていくんだ」
「普通はそう考えるけれど」
「馬鹿だからか」
 フックははっきり言った。 
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