| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第五百九十八話 能力と人気その二

「その時はとんでもなく無能で」
「野党だとか」
「他の人を責めるばかりで」
「政策もなくてか」
「最初は政策みたいなものもあったけれどね」 
 まだ二十一世紀初頭はあったのだ、もっと言えば与党になる少し前まではまだ見られる政策もあったと言われている。
「それもなくなって」
「他人のことを言うだけか」
「挙句何でもないことを問題みたいに言ったりね」
「それで政策を言わなかったんだな」
「一切ね」
「そんなので第一野党でいられたな」
「それだけ当時の日本の民主政治はまだ未熟だったのかな」
 菅は考える声で言った、表情は変わらないが声はそうなっていた。
「やっぱりね」
「それでか」
「政権を担当出来る政党を一つ作ることは難しいよ」
 菅はまずはこう言った。
「けれどそういった政党をもう一つ作ることはね」
「さらに難しいか」
「うん」
 そうだというのだ。
「それも遥かにね」
「シビアな言葉だな」
「日本の言葉だよ」
 他ならぬ自分達の国だというのだ。
「本当にね」
「政権を担当出来る政党を作ることは難しくてか」
「それが一つでもね」
「それが二つにもなるとか」
「遥かに難しいよ」
「そうなんだな」
「もう一つがそんな政党で」 
 政策なぞ何もなくただ他人をあげつらい言い募るだけの政党でというのだ。勿論国家も市民も眼中にはない。
「それでずっといたからね」
「日本はか」
「そういうのを見て来たからね」
「日本人はか」
「それでね」
 その為にというのだ。
「この言葉は残っているんだ」
「色々あったんだな、日本もね」
「最後の方もの考える力もね」
「なくなっている感じだったか」
「そんなことばかりしているだけになったから」
「政策なくてか」
「感染症が蔓延していても」
 その状況でもというのだ。
「もうそのことには一切考えを出さないで」
「そういうことばかり言ってか」
「与党の政策に代案出さずに反対ばかりで」
「よくそれで選挙で第一野党になれたな」
「だからね」
「民主政治が未熟だったんだな」
「当時の日本はね」
 政権を担当できる政党を複数持てる程ではなかったというのだ。
「残念だけれど」
「日本も苦労したんだな」
「そのことではね」
「そんな政治家が多かったなんてな」
「今の連合じゃ少ないよね」
「いることはいてもな」
「そうだったのに」
 それがというのだ。
「当時の日本ではね」
「第一野党か」
「国会とかで少しいるんじゃなくて」
 そんなレベルで収まらずにというのである。
「もうね」
「一つの政党自体がか」
「そうだったんだよ、流石にネットを中心に正体がわかって」 
 このことは歴史にある通りである。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧