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八条学園騒動記

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第五百九十八話 能力と人気その一

                能力と人気
 菅はフックにウイスキーをロックで飲みながらさらに話した。
「それでも嫌われているとね」
「選挙に出てもな」
「通らないよ」
「そうだな、けれどそれはな」
「それは?」
「アメリカだけじゃないな」
 フックはアイスクリームを食べつつ菅に返した。
「選挙だと」
「能力があってもね」
「嫌われていたらな」
「通らないね」
「人気商売って言うとな」
「タレントさんみたいだけれど」
「政治家もそうだな」
 菅に考える顔で述べた。
「結局は」
「そう、スキャンダルがあるとね」
「人気が落ちてな」
「落選するしね」
「そこも同じだな」
「ちょっと努力しないとね」
 その場合もとだ、菅は話した。
「追い越されるしね」
「政策を出さないとな」
「勉強してね」
「そうもなるな」
「だからね」
「政治家もタレントさんと同じか」
「人気商売でスキャンダルは駄目」
 そうだというのだ。
「これはね」
「本当に同じだな」
「しかしね」
 ここでまた言った菅だった。
「努力しない政治家もタレントさんもいるね」
「ああ、いるな」
 フックも否定しなかった。
「文句ばかり言う政治家とかな」
「スキャンダルの追求ばかりしてね」
「反対ばかりでな」
「政策は一切出さないでね」
「市民のこともどうでもいいな」
 そうしたというのだ。
「政治家もいるな」
「そうだよね」
「世の中にはね」
「もうわかるよね」
「他人のあら探しばかりしてな」
「それを見付けたら」
 相手を攻撃出来る材料をだ。
「もうそればかり言うんだよね」
「政策そっちのけでな」
「どんな大変な時でも」
 自分達の国がだ。
「政策も代案も出さないで」
「そればかり言うな」
「もうそれがあってもそれよりもと言って」
 国難を見ていてもだ。
「相手を責めるばかりなんだよね」
「それでブーメランもあるな」
「他人を攻撃しているその材料がね」
「自分もってなるな」
「本当にそうした政治家いるからね」
「何処でもいるな、そんな奴は」
 フックは苦い顔で言った。
「連合もな」
「僅かだと思うけれどね」
「あんな連中沢山いたら最悪だろ」
「まあそれが二十一世紀初頭の日本だとね」 
 菅は自分達の歴史から話した。
「二十世紀後半からだけれど」
「そんな奴が大勢いたのかよ」
「第一野党でね」
「第一かよ」
「そう、少しの間与党だった時もあるし」
 それでもというのだ。 
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