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八条学園騒動記

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第五百九十七話 毎日すべきことその十二

「ずっとね」
「嫌われていたからか」
「二次大戦で海軍のトップとして辣腕を振るったけれど」
 海軍元帥であった。
「それでもね」
「嫌われていたんだな」
「口が悪くて偏見が強くてね」
 人種差別的傾向が強かったという。
「女好きで酒好きでギャンブル好きで」
「素行にも問題があったか」
「あまりにも問題があって」
 能力は高くてもというのだ。
「ニトログリセリンとか呼ばれていたよ」
「爆発物か」
「そこまで言われていたんだ」 
 他にはドライアイスの剣とも呼ばれていた。
「あまりにもだったから」
「正確に問題があり過ぎたか」
「今言った通りね」
「そうなんだな」
「しかもさっきの好きが」
 その話もした。
「今言った通りね」
「お酒に女の人にか」
「ギャンブルでね」
「どれも好きでか」
「のめり込んで」
 そうしてというのだ。
「歯止めが効かなくて」
「厄介だったんだな」
「性格破綻者すれすれで」
 そこまでのめり込んでというのだ。
「そこも洒落になっていなくて」
「ギャンブルで破産しなかったか」
 フックはこの時代でもある話をした、それで家庭でも問題を抱えたり崩壊させたりすることは社会問題であり続けている。
「それで」
「それは知らないけれど」
「歯止めがか」
「効かなくてね」
 それでというのだ。
「それにお酒もで」
「酒乱だとまずいな」
「女の人もでね」
「そちらは嫌われそうだな」
「実際嫌われていてね」
 女の人からというのだ。
「パーティーとかで同席を嫌がられたそうだよ」
「普通そこは礼儀でだろ」
「だからあまりにもね」
「のめり込んでか」
「歯止めが、だから」
 女性についてもというのだ。
「そうだったからね」
「嫌われていたんだな、女の人でも」
「そこまで露骨にね」
 パーティーで同席を嫌がられるまでにだ。
「そうだったんだ」
「それならな」
 フックはここまで聞いて言った。
「能力以外はな」
「うん、評価されていなかったよ」
「軍人として大事なのは能力でもか」
「もう戦争が終わったら」
 第二次世界大戦、それがだ。
「その時点でね」
「お払い箱か」
「辞めるって言っても」
「引き止められなかったか」
「アメリカってそうしたところあるね」
 この時代のアメリカもというのだ。
「能力だけで人を登用して」
「仕事が終わるとだな」
「もう引き止めない」
「引退するに任せるか」
「それで二度と登用しなくて」
 そしてというのだ。
「それから選挙に出ても」
「通らないな」
「そうなる国だね」
「言われてみればそうだね」
「幾ら有能でも」
 菅はさらに話した、ウイスキーを飲みながら話を続けた。


毎日すべきこと   完


               2020・11・24 
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