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星河の覇皇

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第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その三十八

「赤も白もだね」
「それが過ぎると言っています」
「とはいってもトカイ程ではないね」
「流石にあちらは」
 ハンガリーのワインだ、この時代でも最高級のワインとして有名である。それで別格とされているのだ。
「格が違います」
「そうだね」
「はい、しかし」
「それでも及第ではあっても」
「それだけとのことです」
「いいと思うがね」
 そのランズハイム星系のワインを飲みつつだ、ランズハイムは言った。赤である。
「それも充分に」
「今飲まれているワインも」
「お肉にもチーズにも合っているよ」
 メインディッシュのチーズを乗せた大きなハンバーグも楽しみつつの言葉だ。
「どちらにもね」
「赤ワインならですね」
「お肉やチーズに合うべきだね」
「そしてパスタですね」
「その点このワインはね」
 まさにと言うのだった。
「充分過ぎるよ」
「旦那様がそう思われてもです」
「評論家は違うね」
「そうです、彼等にしてみればです」
「あれだね、最近の流行では」
 その赤ワイン、領地のガラス職人が献上してくれた最高級のガラス細工のグラスに入れられたそれを飲みつつの言葉だった。
「そのまま飲める」
「はい、お肉もチーズもパスタも必要ではなく」
「それも冷やしも熱しもです」
「ワインだけで飲めるものがです」
「いいというのだったね」
「赤も白もロゼも」
 勿論他の色のワインもだ。
「全てです」
「ワインは食べつつ飲むものだがね」
「旦那様はそう思われていてもです」
「評論家達の流行ではだね」
「ワインそのままの味でだね」
「飲めるものがです」
 その時の味がだというのだ。
「よいとのことなので」
「チーズもお肉もなしでだね」
「そのまま飲むのです」
「お酒を何も食べず飲むのはね」
「健康によくないですね」
「そもそもね、しかもね」
 さらに言うランズハイムだった。
「ワインは何度も言うけれどね」
「食べつつですね」
「飲むものだよ」
 こう言うのだった、そもそも酒は料理と共に楽しむものであるというのは昔から言われて行われていることだ。
「ストレートで飲むと」
「胃がそのままアルコールを吸収して」
「身体によくないよ」
「酔いも一気に回りますね」
「そうだよ、健康に悪い飲み方だよ」
 実にと言うのだった。
「それはね」
「何でも連合軍の飲み方へのアンチテーゼらしくて」
「彼等の?」
「はい、彼等は飲む時暴食も伴っていましたので」
 勿論暴飲もである。
「ああした貪り喰らいつつ飲むよりも」
「食べずにだね」
「飲む方がです」
「いいということでかい」
「今行われていますが」
「連合はね」
 この国へのアンチテーゼと聞いて言うのだった。 
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