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星河の覇皇

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第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その二十八

「お持ちなので」
「それで、ですか」
「国債もですね」
 それをしてもというのだ。
「返す自信、根拠がです」
「おありですか」
「そうではないかと」
 二人で話す、しかしだった。
 ここでだ、ヒルデルセンはまた言った。
「しかし私はどうしても」
「国債はですね」
「発行するのが怖いですね」
「見ていても」
「カエサルの様な方法はカエサルだからどうにでもなりましたし」
「どうも総統閣下は」
「カエサルに近いですか」
 ランズハイムに応えて言った。
「そうなのでか」
「そうかと。借金なぞとです」
「お考えですか」
「国が発展ことを考えると」
「借金をしても」
「それは二の次で」
 そうしたものに過ぎないというのだ。
「まずはです」
「エウロパの発展ですか」
「カエサルが使った様に」
 市民の支持を集め女性との遊興費や服や書籍に使った様にだ。
「そうかと」
「そうなのですか」
「少なくとも予算がなければ」
「はい、政治は出来ませんね」
「ですから」
「それで国債を発行し」
「集めて」
 そのうえでというのだ。
「予算にしているのでしょう」
「そうですか、それも英雄ですね」
「そうですね」
「はい、そして国債を発行してでも発展しないとですね」
「エウロパは連合には勝てません」
 この国にはだ。
「到底」
「あの国を知らないエウロパの者なぞいません」
 はっきりとだ、ヒルデルセンは言い切った。
「まさにです」
「エウロパの宿敵ですね」
「千年来の」
「あちらもそう思っているでしょうが」
 ヒルデルセンはこうも言った、実際に連合でもエウロパを知らない者はいない。それは敵としてである。
「お互いにですね」
「宿敵です」
「そしてその宿敵を超える為に」
「今はです」
 まさにというのだ。
「多少異常に無理をして」
「発展させないとですね」
「駄目な状況なので」
「それで、ですね」
「総統は発展を目指されています」
 まさにというのだ。
「ですから」
「それで、ですね」
「国債を発行されても」
「それでもですね」
「発展をお考えでしょう」
「早急なそれを」
「総統の政策は確かに積極的です」
 ランズハイムはヒルデルセンに穏やかな声で話した。
「その全てが」
「そうですね、私は軍事は専門外なので言いませんが」
 自分でも言うヒルデルセンだった。
「それでもですね」
「総統は違いますね」
「軍事においても」
「積極策ですね」
「エウロパ戦役で傷付いた軍を復興させ」
 こちらも行ったのだ、艦隊も設備も急激にだ。 
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