星河の覇皇
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第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その二十四
「問題はね」
「ヒルデルセン伯爵の主張される」
「それは財源になるけれど」
「それが問題ですね」
「その財源はね」
それは何かというと。
「やっぱりね」
「それはですね」
「ドイツも財政拡大が進められているから」
「エウロパ全体がそうで」
「そのことからだね」
「根拠はありますね」
執事もこのことを確認した。
「あの方の政策は」
「根拠ない政策はね」
「アジテーションの類で」
「わかる人にはわかるからね」
その実態がだ。
「そうしてね」
「批判を受けてですね」
「終わってしまうから」
その政策だけでなく政治生命までもがだ、政治家とアジテーターは違うものでありアジテーターに過ぎないとみなされるとだ。
「それはあの方もね」
「わかっておられて」
「ちゃんと言っているよ」
そうしているというのだ。
「誇りのある方だから」
「扇動はされないですね」
「下手な人気取りもね」
こちらもというのだ。
「しない人だよ」
「立派な方ですね」
「うん、領地ではいい領主さんと言われているのもね」
「当然ですね」
「そう、ただあの方の政策は」
ヒルデスセンのそれはというと。
「どうも軍事がないね」
「軍事については言われないですか」
「安全保障の分野はね」
ドイツのそれについてはだ。
「一切言わないね」
「専門外ということですか」
「そうみたいだね」
「内政全般で言われていますが」
「しかしそちらはね」
軍事関係はというのだ。
「言う人じゃないよ」
「そうですか」
「著書を読んでもね」
そのヒルデルセンのだ。
「軍事関係はね」
「書かれていませんか」
「これがね」
「そちらはまことになのですね」
「言わない人だよ」
「専門外とですね」
「ご自身も割り切っているみたいだね」
「左様ですか、しかしあの戦役には」
エウロパ戦役ではとだ、執事は己の主に話した。
「ヒルデルセン伯爵も」
「参加しているね」
「ご自身で志願されて」
「そして少将として戦っていたね」
「そうでしたが」
「一般の大学卒業で確か医学部だったね」
出身大学はというのだ。
「ベルリン大学のね」
「あの名門の」
「うん、代々医師の家系だからね」
それがヒルデルセン家だというのだ、貴族の家にはそれぞれの専門分野がありこの家は医学だというのだ。
「それでね」
「医師であられますね」
「そうだけれどね」
「軍人としてですね」
「戦闘に参加はされているよ」
連合とのエウロパ戦役にだ。
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