| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その二十三

「もう一人、そして出来る限りです」
「お子をもうけられる」
「そうしていかれますか」
「エウロパの為にも」
「ですね、それでは」
「我々も」
 ブラウンシュタインもランズハイムも応えた、そうしてだった。
 ランズハイムはこの日は二人のドイツを代表する貴族の名士達と他のことも話した。そして次の日にもだった。
 議会に出た、だがその前にふと車に同席していた執事に言われた。
「旦那様、何かです」
「どうしたんだい?」
「ご領地の議員達の中にです」
「彼等のことでかい?」
「はい、マウリアの技術者達が彼等からかい」
「技術をかい」
「売り込みに。商人達も一緒に」
 そのうえでというのだ。
「来ているとのことです」
「どう思われますか」
「いいんじゃないかな」
 これがランズハイムの返事だった。
「別にね」
「マウリアの新しい技術が手に入るのなら」
「それでね、そしてね」
「その技術がですね」
「エウロパ全体に役立つならね」
 ランズハイムは邪気のない顔で執事に答えた。
「もうそれはね」
「エウロパ全体にですね」
「広めてもいいよ」
 そうしてもというのだ。
「むしろね」
「そうしてですね」
「エウロパを発展させられるのなら」
 それでというのだ。
「いいよ」
「そうお考えですか」
「駄目かな」
「いえ」
 執事は己の主に微笑んで答えた。
「そこでそう言われるのがです」
「私かな」
「旦那様の素晴らしいところです」
 まさにというのだ。
「私がないので」
「ではね」
「今日もですね」
「議会に出てね」
「そしてですね」
「人と会うよ」
 こちらのこともあるというのだ。
「今度はヒルデスセン伯爵とだよ」
「あの方ですか」
「うん、何かと言う人だね」
「はい、貴族院でも名が出ていますね」
「質疑によく出てね」
「過激なことを言われていますね」
 執事はこのことからこのヒルデルセンという人物を知っていた。
「政策としてはですね」
「うん、財政支出を拡大してね」
「積極的な景気拡大、雇用創出と」
「そして労働条件もね」
「大幅な向上と」
「よくそうしたことを言うね」
「思い切った政策こそが国家をよくすると」
 まさにというのだ。
「言われていますね」
「そうだね、あの人はね」
「そうした政策ですね」
「福祉もね」
 それもというのだ。
「充実させろとね」
「主張されていますね」
「うん、ただね」 
 ランズハイムは政治家としてだ、腕を組み考える顔になって執事に話した。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧