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星河の覇皇

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第七十六部第三章 エウロパから見た死闘その十四

「ではやはり」
「ドイツにですね」
「縁戚を拡げていきたいのでしょうか」
「そうですか、では侯爵は」
「検討中です、相手の殿方がどういった御仁か」
 それがというのだ。
「問題ですし」
「よく健闘してですね」
「そしてです」
「決められるのですね」
「そのつもりです、しかし娘が軍人の妻ですか」
「そのことはですね」
「娘が生まれた時は考えていませんでした」
 もっと言えばだれと結婚するのかもだ、リッテンブルグはそれはまだ先のことだと思って誕生を素直に喜んでいたのだ。それも侯爵領をあげて。
「全く、しかし」
「それでもですね」
「もうこうした話が来たとも思い」
「そしてその相手が軍人とは」
「これもですから」
 今言っている通りにというのだ。
「考えています」
「左様ですか」
「一番上の息子は大学に行っていて」
 リッテンブルグ家の嫡子たというのだ。
「すくすくと育っていますがその下がその娘でして」
「ご息女はですな」
「はい、アイドルに夢中で」
「そしてギーズ家からですね」
「そうしたお話が来ているので」
「悩ましいですか」
「実に」
 こうランズハイムに述べた、
「私としては、しかし」
「それでもですか」
「検討中といいましても」
「前向きですか」
「はい」
 そうした検討だというのだ。
「あくまで相手の殿方次第ですが」
「リッテンブルク家としてもですか」
「フランスにも縁はです」
「作っていきたいのですね」
「そう思っていますので」
「そうですか、当家としては」
 ランズハイムは微妙な顔になって述べた、リッテンブルクの言葉を聞いて。
「フランスの方とはです」
「縁はですか」
「ありませんし」
 こう言うのだった。
「ドイツ国内に留まっていますね」
「そういえばそうですね」
 ブラウンシュタインはランズハイムの言葉を聞いてこう言った。
「伯爵のお家は」
「昔からそうです」
「ドイツ国内で、ですね」
「留まっています」
 ドイツ以外の国の貴族達とは縁がないというのだ。
「あくまで国内です」
「そうですか、しかしです」
「ドイツの外にもですね」
「縁があるといいです」
 縁組でそれを築いていくべきだというのだ。
「縁があるに越したことはないですから」
「だからですね」
「ハプルブルク家なぞは」
 この時代ではオーストリアの君主に返り咲いている、とはいってもかつての皇帝ではなく王としてである。
「最早です」
「各国の君主家とですね」
「縁がありますから」
「あの家はまた特別ですね」
 ランズハイムはこの家についてはこう言った。 
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