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おぢばにおかえり

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第六十一話 食べてもらってその六

「そうよね」
「はい、是非」
「こんないい子よく奥華にいたわね」
「全くだ、将来有望だな」
 ここで二人で私を見てきてでした。
 妹達も私を見てにこにことして言いました。
「お姉ちゃん実はスカウト上手?」
「ここまでの人見付けてくるとか」
「プロ野球で言ったらチャンスに強い鳥谷さんね」
「そこまでの人じゃない」
「チャンスに強い鳥谷さんって無敵じゃない」
 私は思わずこう言い返しました。
「それこそ」
「そこまでの人ってことよ」
「だから言うのよ」
「そうなのね」
「本当にいい子見付けてきたわね」
 今度は大石さんが言ってきました。
「同じ高校にしても」
「それが見付けたんじゃなくて」
 私はことの真相をお話しました。
「声をかけられたんです」
「この子からなの?」
「そうなんです、一年生の入学式の日に」
 まさにその日にでした。
「声をかけられたんですよ、阿波野君から」
「千里ちゃんの方が逆になのね」
「はい、急に」
 あの時のことは今も覚えています。
「それからなんです」
「そうだったの」
「いや天理高校って広くて」
 その阿波野君の言葉です。
「何処がどうなのか全くわかっていなくて」
「私に案内を頼んだのよね」
「そうしたら同じ大教会で」
「それでだったのよね」
「毎日何かってお会いして」
「それで気付いたら」
 今思うとそうでした。 
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