| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

おぢばにおかえり

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六十一話 食べてもらってその五

「丁度いいわね」
「お母さん阿波野君に優しいわね」
「そうかしら」
「ええ、随分とね」
「まあ同じ奥華だしね」
 それでという返事でした。
「見どころもあるし」
「これで教会の子じゃないなんてな」
 お父さんの言葉は意外といったものでした。
「それが信じられないな」
「本当にそうなんですけれど」
「そうか、けれど今からなってもいいしな」
「今からですか」
「うちなんかどうかな」
 ここでお父さんはこんなことを言いいだしました。
「高校を卒業したら」
「?住み込みさん?」
 うちの教会と聞いて私はすぐにこう思いました。
「それって」
「それはないでしょ」
「何でそうなるのよ」
 妹達がここで呆れた声で言ってきました。
「そこでそう考えられるって」
「誰でもわかることでしょ」
「誰でもって」
「だからちょっと考えてよ」
「私達だって一発でわかったから」
 こう私に二人で行ってきます。
「それじゃあね」
「考えてみたら」
「どういうことか」
 本当に訳がわかりません、ですが。 
 阿波野君はお父さんにこう言ってその考えが止まりました。
「大学まで行きたいんで」
「天理大学だな」
「宗教学科ですね」
「じゃあ修養科はどうかな」
「大学を出てからですね」
「尚更いいな、いい子だな」
「それでおみち関係で働きたいのね」
 お母さんは阿波野君にこのことを尋ねました。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧