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おぢばにおかえり

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第六十一話 食べてもらってその七

「こんなのです」
「いつも一緒にいるのね」
「いつもじゃないですけれど」
 それでもです。
「毎日みたいに会っていました」
「今もそうなのね」
「これがまた」
「いや、これこそお引き寄せですね」
 阿波野君がまたにこにことして言ってきました。
「親神様の」
「そうよね」
 大石さんは阿波野君のことばに笑顔で応えました。
「まさに」
「そうですよね」
「千里ちゃんはとてもいい娘だから」
 大石さんは今度は私のお話をしました、何かいつもこう言われて恥ずかしいです。そんなにいい娘のつもりはないですから。
「色々教えてもらってね」
「そうさせてもらいます」
「それで助けてあげてね」
「僕が先輩をですね」
「男の子だから」
 それでというのです。
「そうしてあげてね」
「はい、先輩に何かあったら僕も嫌ですし」
「それじゃあね」
「やらせてもらいます」
「そういえば阿波野君は」
 私も思い出しました、その思い出したことは何かといいますと。
「おさづけの理を頂いた時に」
「あの時ですね」
「詰所から東寮まで送ってくれたわね」
「何もなくてよかったですね」
「あの時は有り難う」
「いえ、全然大したことじゃないですから」
 阿波野君の返事は何でもないといったものでした。
「別に」
「こんないい子いてくれたら」
 また大石さんが笑顔で言われました。 
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