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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その四十二

「スラム街ですらだ」
「豊かでしたね」
「貧困層の地域といっても」
「それでもですね」
「我々の基準から言えば豊かでしたね」
「それも非常に」
「そう思った、だからゾロアスター級も建造出来てな」
 開発をしてだ。
「そうして配備、運用も出来てだ」
「サハラとの国境にもですね」
「あれだけの防衛ラインを敷けましたね」
「我々が到底突破出来ないまでのあれを」
「あれを施設出来ましたね」
「そうだ、そしてだ」
 さらに話すアッディーンだった。
「新型の艦艇もだ」
「開発、建造し」
「そうして配備する」
「その豊かさと技術で」
「それが出来るのですね」
「連合の防衛予算は僅かだ」
 連合中央政府の予算の中でだ。
「しかしだ」
「その僅かなものでもですね」
「それでもあれだけですね」
「軍備を整えられている」
 国力があるからこそというのだ。
「もっともあれだけの効果的な運用はあの長官殿ならではの様だが」
「八条義統」
「あの御仁ですね」
「若しあの御仁がティムールにいれば」
「我等の敵だったなら」
「私は敗れている」
 確実にとだ、アッディーンは言った。
「シャイターン主席の下に彼がいればな」
「そうなっていればですね」
「サハラはティムールが統一していましたね」
「あの御仁の軍の見事な運用もあり」
「そのうえで」
「戦場での彼は知らない」
 元は日本軍の経捕士官だった、基本的に戦術にはあまり関わってこなかった。少尉の時は通信士や機関士、中尉の時は航海長もしていたがだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「あの戦略、運用はですね」
「敵であればと思うと」
「恐ろしいですね」
「まさに生粋の政治家だ」
 八条、彼はというのだ。
「政治家、国防のトップとしてな」
「あそこまでの働きを見せていますね」
「恐ろしいまでのものを」
「それをですね」
「それを見るとだ」
 まさにというのだ。
「恐ろしい、敵ならばな」
「そう思うとサハラにいないことがですね」
「我々にとっていいことですね」
「それも実に」
「そうですね」
「そうだ、私のところにいたらと思う時もあるがな」
 八条がティムールにいた場合も考えるがというのだ。
「その時は頼もしい」
「そうですね、非常に」
「その場合は」
「その場合は素晴らしい人材です」
「我々に政治面から勝利をもたらしてくれる」
「実に頼もしい人材です」
「強力な敵は強力な味方にもなる」
 その資質故にというのだ。
「確実にな、その得意とする分野で活躍するならな」
「まさにその通りですね」
「その場合はですね」
「非常に素晴らしい人材となりますね」
「味方になれば」
「その場合は」
「それはあの御仁も然りだ」
 八条、彼もというのだ。 
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