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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その四十

「シャイターン主席にすら気付かれていない」
「ならばですね」
「このままですね」
「隠していきますね」
「そうしていく、仕掛けるその時までだ」
 まさにその瞬間までというのだ。
「隠していく、だから開発の際もだ」
「入室の時にはですね」
「閣下でも身体検査を受けさせていましたね」
「国家元首ですが」
「それでもですね」
「そうしなくてはだ」
 徹底したチェックを受けずしてというのだ。
「機密は守れない、何しろだ」
「シャイターン主席は鋭い」
「そしてその諜報網もですね」
「かなりのものだからこそ」
「秘匿中の秘匿にしてきた」
「そうでしたね」
「だからだ、このまま隠してだ」
 迂闊には出さずにというのだ。
「ここぞという時に使う、そして使った時こそ」
「勝利の時ですね」
「多くの犠牲が報われる時ですね」
「これまでのそれが」
「そうなりますね」
「その通りだ、次の戦闘でも連れていく」
 その艦をというのだ。
「そして若しもだ」
「使えれば」
「その時はですね」
「実際に使う」
「そうされますね」
「勝利の為にな」
 是非にと言うアッディーンだった。
「そうしていく、機を窺っていこう」
「では乗り込んでいる将兵達はですね」
「今回もですね」
「様子を見守る」
「そうしていきますね」
「その通りだ、彼等は今は英気を養っているが」
 来たるべき時に備えてだ。
「その時が来ればな」
「その時にですね」
「動いてもらい」
「そして決着をつけてもらいますね」
「その通りだ、これは何度も言う」
 まだ投入していないが今の時点でというのだ。
「この様にな、あと気になる話だが」
「といいますと」
「若しやティムール側もですか」
「あの艦を開発しているのですか」
「その様にしていますか」
「いや、あの国ではなく連合だ」
 この国だというのだ。
「また新型艦艇の建造をしているという」
「あのゾロアスター級超巨大戦艦ではなく」
「また別の艦艇をですか」
「建造している」
「そうなのですか」
「それが何かはわからない、既存の艦艇の新型かも知れないが」
 それでもというのだ。
「若しかするとだ」
「我々と同じくですか」
「あの艦艇の開発ですか」
「それを進めていますか」
「そうかも知れないのですか」
「そうかもな、あの国の技術は素晴らしい」
 これはアッディーンが見てもだ、とかく連合の技術は他国を圧倒している。その圧倒は民間技術だが数百年は開いているとさえ言われている。
「我々から見て途方もない先進国だ」
「我々の世界では夢の様な技術もありますね」
「しかもそうしたものが実に多い」
「そしてその連合で、ですか」
「我々と同じ様にですね」
「開発しているかも知れない、そして建造もだ」
 それもというのだ。 
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