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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その三十七

「二十数個分の艦艇が消耗したな」
「そうなりました」
「多くの艦艇と将兵を失いました」
「撃沈された艦艇、戦死者も多いです」
「全体のおよそ二割に当たります」
「補充と再編成をしてだ」
 そうしてというのだった。
「そのうえでだ」
「予備選力もですね」
「送ってきますね」
「そうして補充していく」
「そうもしますね」
「現状我々は約百三十個艦隊だが」
 この規模をというのだ。
「維持していく」
「例えどれだけ損害が出ても」
「それでもですね」
「予備戦力を前線に送り」
「そして補充もですね」
「していく、そうした戦いは不本意でないが」
 それでもというのだ。
「消耗戦になればな」
「我々が有利ですね」
「国力、人口に有利な我々が」
「このまま消耗戦が続いても」
「それでもですね」
「そうだ。それも可能だしだ」
 国力の劣るティムール相手に消耗戦を挑みそうして国力で押し潰す、そうした戦い方もというのだ。
「補充は万全にだ」
「していきますか」
「そうしていきますか」
「そうしてですね」
「次の戦闘の用意もですね」
「していこう、ティムールも予備戦力を出してくるが」
 自分達の様にというのだ、戦争の基本でこれは当然のことだった。122
「しかしな」
「それでもですね」
「消耗戦になればですね」
「我々の方が有利ですね」
「そうなろうとも」
「出来る限り双方の国力は消耗せずに統一したいが」
 統一後の国力のことを考えてだ、双方否定してはその後の発展ではなく復興からはじめなくてはならないからだ。
「しかしだ」
「それでもですね」
「統一の為には」
「その為にはですね」
「そうしないといけないかも知れない」
 消耗戦を採用することもというのだ。
「統一が目的なのだからな」
「この度の戦争の」
「その政治的目的ですね」
「それを達成する為にはですね」
「いざとなれば」
「そうする」
 消耗戦を採用するというのだ。
「仕方なくとはいえ」
「勝つ為にはですね」
「消耗戦も執る」
「そうしますか」
「戦死者は出来るだけ少なくするが」
 それでもというのだ。
「それも一つの手だ、消耗戦ならな」
「国力のある我々の方が有利ですね」
「オムダーマンの方が」
「だからですね」
「それしかないならば」
「消耗戦を執りますか」
「そうする、だがシャイターン主席もその時は読む」
 アッディーン、つまりオムダーマンが消耗戦を採用しその様に采配を執ることをというのである。シャイターンが。 
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