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新オズのオジョ

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第十幕その九

「凄いですね」
「流石オズの国ですよ」
 ジョージも驚きを隠せないでいます。
「夜空を飛んで進める鉄道なんて」
「オズの国ならって思っていましたけれど」
 ナターシャも信じられないというお顔です。
「あるんですね」
「だからそちらでの旅も楽しめるから」
 オジョは子供達にあらためて言いました。
「いいね」
「はい、機会があれば」
「その時はですね」
「その列車に乗って」
「そうしてですね」
「旅を楽しめますね」
「それが出来るよ、オズの国の空は飛行船でも旅が出来て」 
 そしてというのです。
「鉄道でもね」
「出来ますね」
「お伽の国だから」
「だからですね」
「皆で、ですね」
「楽しめますね」
「そうだよ、ではその時を待とうね」
 笑顔でこう言ってでした。
 オジョは皆と一緒に橋を渡っていきます、そして橋を渡ったらです。皆の目の前に三人の人達がいました。
 一人はお猿さんで赤がかった金色の毛で赤い鎧と白い服を着ています。その手には如意棒があります。
 一人は豚さんのお顔に昔の中国の昔の服を着てでっぷりと太った人です、その手には九本の歯がある熊手の様な農具があります。
 一人は河童を思わせる外見の緑の中国の行者三の服を着ていてその手には宝杖があります。この人達を見てです。
 すぐにです、神宝達五人は言いました。
「孫悟空さんと猪八戒さんと沙悟浄さん」
「その人達じゃない」
「まさかと思ったけれど」
「ここでお会い出来るなんて」
「まさかね」
「お師匠様、お迎えにあがりました」
 孫悟空さんが玄奘さんに言ってきました。
「こちらまで」
「ここまでですか」
「はい、三人で」
「待っていてよかったのですよ」
 玄奘さんは孫悟空さんに申し訳なさそうに返しました。
「本当に」
「中華街で、ですか」
「そうしていて、といいますか」
「待っていてですか」
「迎えに来るなぞ恐縮です」
「いえいえ、そういう訳にはいきません」
「そうですよお師匠様」
 猪八戒さんも言います。
「それは」
「そうなのですか」
「わし等は充分遊びましたし」
「それならですぞ」
 沙悟浄さんも言います。
「遊ばせて頂いた恩に報いる為にも」
「それでおいら達はここまで来ました」
 孫悟空さんがまた言ってきました。
「こちらまで」
「そうなのですか」
「はい、それでなんですが」
 孫悟空さんはさらに言います。
「また大勢ですね」
「オズマ姫にビリーナさんにチクタクの旦那に」
「ボタン=ブライト君にオジョ君もいますな」
 猪八戒さんも沙悟浄さんも言います。
「それに関羽殿」
「赤兎馬まで一緒じゃないですか」
「そしてそっちの子供達がですね」
 孫悟空さんは神宝達を見て言いました。 
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