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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その三十五

「しかし施しを受けてもだ」
「誇りを忘れてはならない」
「それでもですね」
「アッラーの教えにある、何が悪い」
 貧しく施しを受けてもというのだ。
「私も然りだ。若し私が貧しいとだ」
「施しを受けてですね」
「そうして生きることもある」
「そう言われるのですね」
「そうだ、問題はその施しをどう活かすかだ」
 それが大事だというのだ。
「食事にしてもな」
「それもですね」
「大事なのはそれであり」
「誇りを以てそれをどう活用していくか」
「それが大事なのですね」
「物乞いではないのだ」
 喜捨を受ける者達はというのだ。
「この食事にしてもな、自ら求めてはいないな」
「はい、閣下もです」
「ご自身から言われています」
「物乞いはされていません」
「それは決して」
「私も言いはしない、私も誇りがある」
 そう信じているからだというのだ、自らが。
「だからだ」
「それではですね」
「今からですね」
「我々が残りを食べ」
「そうしてですね」
「次の調理、そして諸君等の栄養にしてもらう」
 食事の喜捨、それによってというのだ。
「いいな」
「わかりました、では」
「我々で召し上がり」
「そうしてです」
「次はよりよりものを作らせて頂きます」
「その様にな、諸君等も食べることだ」
 従兵達にも話した。
「いいな」
「わかました」
「それではです」
「頂きます」
「そうさせて頂きます」
「胸を張って食べるのだ」
 つまり誇りを持てというのだ。
「いいな、常にだ」
「喜捨を受ける時も」
「誇りを持ちですね」
「受け」
「そしてそれを糧にする」
「そうするのですね」
「私もこの言葉通りにだ」
 喜捨のそれにというのだ。
「胸を張っている、諸君等は物乞いか」
「いえ、違います」
「我等は違います」
「喜捨を受けようともです」
「物乞いではありません」
「そうだな、その物乞いもだ」
 ここで悪く言っている彼等もというのだ。
「自分から乞うのではなく喜捨を受けるならだ」
「胸を張り、ですね」
「堂々と受けるべきですね」
「そしてそれを糧とする」
「そうするべきなのですね」
「そうだ」
 まさにその通りだというのだ。
「運命で物乞いまで落ちることもあるだろう、しかしだ」
「誇りがあればですね」
「物乞いから身を脱しまた立つ」
「誇りがあるのならば」
「そうすべきであり」
「そしてその喜捨をだ」
 イスラムの者の義務の一つとされるそれをというのだ。 
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