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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その三十四

「しかしな」
「どうしてもですね」
「誇りとなりますと」
「それが感じられず」
「豊かさの中で発展と繁栄のみを追い求めている」
「そうした世界ですか」
「そう思えた、連合のそこは取り入れない」
 サハラの中にというのだ。
「取り入れるものは技術とシステムだが」
「誇りは我々が持つ」
「それをですね」
「アッラーの僕としてのそれをな」
 イスラムの教理、それに基づく誇りをというのだ。
「そして獣の如き国家になるのだ」
「家畜ではなく」
「常に誇りを持っている国家になる」
「そうされますか」
「私はそう考えている、そしてそれはアッディーン大統領も同じだ」
 確信していてその通りだった、アッディーンもまたサハラを誇りある国家にするつもりであるのだ。
「誇りある国家であるべきだ」
「豊かで倫理観があろうも」
「そこに誇りがなければですか」
「国家として足りない」
「そうなのですね」
「私はそう思う、ではだ」
 ここでまたワインを飲んだシャイターンだった、そうして言うことは。
「次は野菜のポタージュを貰うが」
「はい、そのポタージュですが」
 シェフの一人が言ってきた。
「実は連合の保温技術を取り入れまして」
「今もだな」
「充分な温かさです」
 それを維持しているというのだ。
「熱いまでに」
「それはいい、やはり熱いものはな」
「召し上がられるとですね」
「心が落ち着く、特に疲れから回復した時はな」
 即ち今の様な時はというのだ。
「最高の馳走の一つだ」
「それでは」
「今度はこちらを貰おう、そしてもう二品程だ」
 さらにというのだ。
「野菜のものを貰おう」
「そちらのお料理をですね」
「そうする、ではな」
 ここでそのポタージュ、従兵がすぐに彼の前まで持って来たそれに純銀のスプーンを入れつつ話をした。
「これも貰おう」
「それでは」
 シェフが応えてだった、シャイターンはその野菜のイスラム風ポタージュも食べた。その味も見事といい他の野菜料理も楽しみデザートも食べた。
 彼はデザートのフルーツの盛り合わせを食べてからだ、最後にヨーグルトを食べてこうしたことを言った。
「これで食事は終わりだ」
「ではですね」
「残ったお料理は」
「そちらは」
「皆で食べるのだ」
 そうしろと言うのだった。
「いつも通りな」
「わかりました、それでは」
「その様に致します」
「私共で」
「その様に」
「食事の時も誰でもだ」 
 その時もというのだ。
「誇りを忘れないことだ」
「こうした時もですね」
「誇りを忘れず食べる」
「そうすべきですね」
「富める者は貧しい者に施しをする」
 喜捨である、これもイスラムの教えだ。 
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