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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その二十七

「だからだな」
「その様にしておきました」
「成程な、それだけの味はあった」
「そして次のお料理もです」
「今は夕食だ、翌朝の朝食もか」
「この様にです」
 馳走だというのだ。
「ですからご期待を」
「それではな」
「明日の朝食はエウロパのものになります」
 こちらの食事だというのだ、シャイターンの翌朝の食事は。
「新鮮なフルーツ、ヨーグルトにです」
「パンにソーセージ、オムレツか」
「ベーコンもあります、そしてお酒はです」
 そちらはというと。
「シャンパンです」
「そうか、そちらか」
「それで宜しいですね」
「私はどの文明の料理も食べる」
 シャイターンは微笑みシェフに答えた。
「イスラムの戒律に反していない限りな」
「はい、勿論そのソーセージやベーコン、そしてハムはです」
「全てだな」
「豚肉ではありません」
 イスラムでは食べないそれではないというのだ。
「決して」
「サハラのものだな」
「羊肉です」
 どれもがそうだというのだ。
「ですからご安心を」
「それではな」
 シャイターンは謀略家だ、だがイスラムの戒律は守る男だ。それで豚肉にも注意しているのである。 
 そうして赤いワインを飲んでだ、シェフにまた言った。
「パンは固いものか」
「いえ、トーストです」
 また答えたシェフだった。
「マーガリンやジャムも用意していますので」
「そうか、ジャムもか」
「マーガリンはラム酒を入れたものです」
「ではそちらだな、しかしジャムもな」
「そちらもですね」
「出しておいてくれ、おそらくトーストには塗らないが」
 それでもというのだ。
「ヨーグルトに入れてだ」
「そのうえで、ですね」
「食べる、私はヨーグルトも好きでだ」
「ジャムもですね」
「好きでだ」
 それでというのだ。
「どちらもあるのならな」
「そのどちらもですね」
「楽しみたいからな」
 それ故にというのだ。
「それも貰おう、そして豚肉は使わないが」
 やはりこれは守るシャイターンだった。
「しかしだ」
「それでもですね」
「中国の料理もだ」
「中華料理ですね」
「それもやがてはな」
「はい、それではです」
 シェフはシャイターンに厳かな口調で答えた。
「後日になりますが」
「今の予定が全て済んでか」
「その後になりますが」
「頼む、それでいい」
「それでは」
「麺も食べたい」
 中華料理のそれもというのだ。
「是非な」
「ではそちらも」
「豚肉はなくな」
「サハラにある中華料理ですね」
「そうなるな、中国にも行って馳走になったが」
 連合を歴訪した時にこの国も訪問したのだ。
「本場は違った」
「はい、私共も口にしましたが」
「よりよい料理を作る為にも」
「本場は確かに違いました」
「味が違いました」
「絶品でした」
「確かに豚肉を多く使うが」
 この時代の中華料理もこのことは変らない、中国で肉といえば豚のそれを意味し豚肉は捨てるところがないと言われ続けているのだ。 
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