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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その二十六

 だがそれでもとだ、彼は今言うのだった。
「しかしだ、溺れるつもりもなければだ」
「勝利の為にはですか」
「その為には」
「喜んで置く」
 そうするというのだ。
「そして終わればだ」
「今の様にですね」
「再びですね」
「楽しまれるのですね」
「そうされるのですね」
「そうだ、一時置く」
 贅沢を楽しむこと、それをというのだ。
「それだけのことだ」
「ではです」
「我々もそうさせて頂きます」
「次の戦闘の時は」
「閣下のお食事ではなく」
「そちらを作らせて頂きます」
「そうしてもらう、今はワインも飲むが」
 お気に入りのクリスタルのグラスで最高級の紅色のワインを飲む、そうしつつそのうえで言葉を発するのだった、
「戦闘の時はいい」
「アッディーン大統領との」
「その時はですね」
「インスタントのコーヒーですか」
「そちらにされますか」
「そして眠ることもだ」
 それもというのだ。
「酸素タンクの中でいい」
「そこで一時間ですね」
「そうして休まれて」
「再びですね」
「采配を執られるのですね」
「そうする、天幕のベッドもだ」
 そして大理石と宝石で造られた見事な風呂もだ。
「それもいい、何度も言うがだ」
「贅沢は楽しまれても」
「置かれるのですね」
「そしてそのうえで、ですね」
「戦いに専念されるのですね」
「そうしていく、そして今日の食事だが」 
 ステーキを食べ終え今度は鶏肉に様々な香辛料を付けて辛く味付けして焼いたものを食べている、そのうえでの言葉だ。
「見事だ、今日もと言うべきか」
「有り難きお言葉」
「では次も励ませて頂きます」
「それで頼む、素材もいい」
 調理もいいがというのだ。
「牛肉も鶏肉もな」
「厳選しました」 
 シェフの一人が言ってきた。
「私も」
「そうか」
「はい、この度のお食事もです」
「そうなのだな」
「先程鱒を召し上がられましたが」
「フライだな」
「あれもです」
 鱒にしてもというのだ。
「その素材をです」
「厳選してか」
「そのうえで作りました」
「だからあの味だな」
「左様です」
 最高の味だったというのだ。
「そうなのです」
「わかった、見事な味だった」
「しかも先程まで生きていました」
 調理する直前までというのだ。
「餌もやりそうして」
「鮮度を保っていたか」
「そうした鱒です」
「魚は新鮮であればあるだけ美味い」
 シャイターンは魚肉についても語った。 
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