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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その二十四

「アッディーン大統領が攻めてくるのだ」
「だからですね」
「私が殿軍を務めた、そしてだ」
「オムダーマン軍もですね」
「私が攻めるのだ」
 ティムール軍が追撃を仕掛けるならというのだ。
「ならばだ」
「閣下に対抗することが出来る人物がですね」
「殿軍でなければならないが」
「それはですね」
「彼しかいないのだ」
 アッディーンだというのだ。
「だからだ」
「あの様にですね」
「彼が殿軍を務めたのだ」
「そうだったのですね」
「お互いにそうした、そしてだ」
「今こうしてですね」
「帰ることが出来た、今はゆっくりと休もう」
 ティムールで最高級の牛肉を最高級の香辛料と塩、キッチンでサハラ最高と謡われるシェフに焼かせたステーキを食べつつの言葉だ。
「そうしてだ」
「再編成と補充ははじまっています」
「整備と治療もだな」
「全て、ただ戦死者がです」
「全体の二割を超えたな」
「参加兵力の、オムダーマン軍もです」
 敵である彼等もというのだ。
「それだけの戦死者です」
「かつてない損害だな」
「双方七割を超える死傷者を出し」 
 艦艇の破損もである。
「そしてです」
「戦死者は二割を超えているか」
「撃沈された艦艇も」
 そちらもというのだ。
「それだけに及んでいます」
「戦史上かつてない数字だな」
「確かに、ですが補充等が済めばですね」
「将兵の英気が養われればな」
 その時はというのだ。
「再びだ」
「戦いますか」
「オムダーマン軍も動く」
「同時にですね」
「間違いなくそうなる」
「そしてその時に」
「閣下もいですね」
「動く」
 同時にというのだ、傍に控えていた別の幕僚も言ってきたが彼にも応えてそのうえで語るのだった。
「そしてそのうえでだ」
「勝たれますね」
「そうされますね」
「次の戦いでも決着はつかないかも知れないが」
 それでもというのだ。
「何度も戦いだ」
「アッディーン大統領に隙があれば」
「その時はですね」
「その隙を一気に衝き」
「そうしてですね」
「勝つ」
 アッディーンと同じことを考えていた、そうした意味で二人の狙いは敵同士でありつつも同じであった。
「必ずな」
「では、ですね」
「それではですね」
「隙を見せた方が敗れる」
「そうした戦いなのですね」
「その通りだ、隙を見せるとだ」
 実際にというのだ。
「敗れる戦いだ、戦いは常にそうだが」
「この戦いは特にですね」
「あらゆるものが互角である故に」
「隙を見せればそこから敗れる」
「そうなってしまうのですね」
「戦闘中も意識していた」
 それも相当に強くだ。 
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