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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その十八

「あの艦を破ってくる」
「だからですね」
「今はですね」
「迂闊には使わない」
「この状況でも」
「まだだ、ここで勝負をかけて勝ちたくともだ」
 その欲求は強い、アッディーンにしても。
 だがそれでもとだ、彼は自身の幕僚達に言うのだった。
「使わない、まだ時ではない」
「今はですね」
「まだですね」
「待ってそして」
「機が来れば」
「そこで仕掛ける」
 その時にこそというのだ。
「どうやらこの戦いではないが」
「次にでもですね」
「機会があれば」
「その時こそは」
「使ってだ」
 そのうえでというのだ。
「勝ちそしてそこからだ」
「一気にですね」
「全ての戦線で攻勢に転じ」
 対峙、それからだ。
「そうしてですね」
「一気にですね」
「あの兵器を使って攻めて」
「敵の全ての戦線を突破する」
「シャイターン主席があの兵器の弱点を見抜き対策を出してくる前に」
「その前にですね」
「決着をつける」
 戦争の趨勢、それを決するというのだ。
「だからだ、今はだ」
「慎重にですね」
「使用を抑える」
「まさに必殺の時に使う」
「その為にですね」
「今は使わない」
 アッディーンはこう言った。
「使える状況が来れば別だが」
「それはありそうにもない」
「それならですね」
「このまま戦っていく」
「両方損害が出ていますが」
「それでもですね」
「勝敗は決したいが」
 出来ればこの戦いでだ、両軍の損害が相当なものになっているだけに。
「しかしな」
「それでもですね」
「これだけ損害が出ても」
「それでもですね」
「退く訳にはいかないですね」
「我々にしても」
「退くその素振りを見せただけでだ」
 その時点で、というのだ。
「その素振りを見せた方が敗れる」
「まさにそうした戦いですね」
「我々が今行っている戦いは」
「一瞬の僅かな怯みが敗北に直結する」
「そうした戦いですね」
「だからそれはしない」
 決して、というのだ。
「だからだ、いいな」
「はい、このままですね」
「互いに力尽きるまでですね」
「戦い続ける」
「これ以上損害が出ても」
「そうする、多くの戦死者も出ているが」
 オムダーマンにしてもだ、将官の戦死者も多く出ており負傷者もかなりの数に至ってしまっている。
「それでもだ」
「このままですね」
「戦闘を続け」
「そうしてですね」
「最後まで戦うしかないですね」
「そうだ、損害はだ」
 それが幾ら出てもだ。 
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