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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その十六

「この戦いはまずはな」
「生き残ることですね」
「どうやらそうした戦いだ」
 こう幕僚達に言った。
「損害はこのままだと五割を超えるな」
「はい、間違いなく」
「戦闘は続いています」
「ですから」
「それ位には」
「そうだな、しかしだ」
 それでもと言う司令だった。
「我々が一人でも、一隻でも多くだ」
「生き残ることですね」
「まずは」
「そうするべきですね」
「そうだ、生きていればまた戦える」
 命さえあればというのだ。
「再びな、そして生きている者が多いとだ」
「補充も少なくて済む」
「その分ですね」
「人員も艦艇も」
「だからですね」
「生きるべきだ」
 少しでも多くというのだ。
「だから大統領も今はだ」
「傷を受けたら下がれ」
「そう言われていますね」
「工作艦や病院船を後方に用意していますし」
「それも多く」
「死ぬのはアッラーが定められているが」
 しかしというのだ。
「死に急ぐこともない」
「死ぬ時は死ぬ、ですね」
「必然的に」
「そうなりますね」
「そうだ、だからだ」
 そうしたものだからだというのだ。
「今はだ」
「生きることですね」
「軽挙妄動なぞせず」
「果敢に攻めようとも」
「生きることだ、ただ背を向けるとだ」
 敵にである。
「撃たれるぞ」
「そうした状況ですね」
「一瞬でも隙を見せれば撃たれますね」
「反転しようものならその隙に」
「一瞬の隙で」
「そうなる、そして怯んでもだ」
 背を向ける、即ち逃げずともだ。
「やはりだ」
「撃たれますね」
「そうなってしまいますね」
「そこに隙が出来て」
「そうなるからだ、ここはだ」
 この戦いにおいてはというのだ。
「逃げないことだ」
「このままですね」
「果敢に戦うことですね」
「我が分艦隊も」
「損害は出ていますが」
「損害は全ての艦隊で同じだ」
 戦闘に参加しているオムダーマン全軍がというのだ、ひいては敵であるティムール軍も同じことである。
「それならばだ」
「怯まずにですね」
「そのまま攻める」
「それが最善ですね」
「大統領の言われる通り」
「そうだ、そうしていくぞ」
 こう言って実際にだった、この分艦隊も果敢に攻めていった。損害は多かったがそれでもであった。
 両軍の戦闘は続く、戦闘に参加していない戦力はないと言ってよく両軍共予備戦力はないも同然だった。合わせて六十個艦隊以上の戦力が衝突していた。だが戦闘が続くうちにその両軍合わせて六十の艦隊もだった。
「損害が遂にです」
「五割を超えたか」
「はい」
 幕僚の一人がアッディーンに答えた。 
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