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星河の覇皇

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第七十六部第二章 戦闘開始その十五

「そう思う、だからな」
「この度の戦闘ではですか」
「多くの損害は出るが」
「お二人はですね」
「生きる」
 そうなるというのだ。
「そして次の機会にだ」
「再びですね」
「戦うことになるだろう」
「今が第一次で、ですか」
「第二次第三次と続くだろう」
「そしてそのうえで」
「やがては決着がつくだろう」
 こう幕僚に話した、彼の分艦隊の采配を執りつつ。すぐ傍にあった戦艦がミサイルを受けて中破するその中で。
「引き分けはだ」
「それもですね」
「ない」
「何故ならですね」
「決着がつくまで行われる」
「そうした戦いだからこそ」
「勝った方がサハラを統一するのだ」
 そうした戦いだからだというのだ。
「それならばだ」
「最後まで、ですね」
「一方が倒れサハラを去るまでだ」
「続きますね」
「この戦いはな」
「だからこそですか」
「この戦いは決まる」
 間違いなく、というのだ。
「引き分けはない」
「これまでのサハラの戦争とは違い」
「お互いの目的な統一だ」
 オムダーマンもティムールもというのだ。
「それならばな」
「間違いなく、ですか」
「最後の最後までだ」
「決着がつくまで」
「そうした戦争だ、だから今もだ」
「これだけの損害でも」
「続く」
 戦闘、それがだ。分艦隊の旗艦自ら攻撃を行った。そしてそのビームが前にいた敵の巡洋艦を直撃した。
 巡洋艦は軽巡だった、それでは戦艦のビームの直撃を受けては只では済まない。中破して動きを止めた。
 その敵艦を見てだ、艦長が分艦隊司令に言った。
「司令、中破です」
「敵は最早動かないな」
「はい、完全に」
「ならもういい」
「あの艦への攻撃は」
「しなくていい」
 こう艦長に言った。
「そして艦のことはな」
「私にですか」
「任せているからな」
 だからというのだった。
「聞かなくていい」
「そうですか」
「艦のことは君のことだ、そしてだ」 
 さらに話す分艦隊司令だった。
「分艦隊のことはだ」
「司令がですか」
「行う、そういうことだ」
「それでは」
「その艦艇のこともだ」
 今中破させたその敵艦のこともというのだ。
「君に一任する」
「それでは」
 艦長は司令の言葉に頷いた、そしてだった。
 艦長はその艦にそれ以上の攻撃はしなかった、その艦艇がもう行動も攻撃も行えないのは事実だった。
 それでだ、次の艦艇に攻撃をしてだった。
 戦闘を続けた、この艦長の艦艇の動かし方は的確で攻撃を受けることもなかった。司令はこのことに幸いと感じて言った。 
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