| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十六部第二章 戦闘開始その九

 彼等は果敢に攻め続けた、損害も犠牲ものともせず。それはティムール軍も同じでただひたすら攻め合った。
 攻撃がひたすら続く、それは二人が直接率いる艦隊だけでなく全ての艦隊がだった。上下左右で立体的にぶつかっていた。
 その衝突は拮抗していてだ、どちらも退くことはなく攻めきれてもいなかった。その状況を見てだった。
 オムダーマン軍のある戦艦の艦長がこう漏らした。
「これは戦闘が終わるまでだ」
「それまでですか」
「続く」
 この状況がとだ、艦長は副長に述べた。
「ずっとな」
「拮抗したままで」
「戦いが続く」
「お互い退かず攻撃も続いているので」
「だからだ」
 それでというのだ。
「このままだ」
「最後はですね」
「お互いに力尽きる時にはな」
「お互いが退いて」
「そしてだ」
 まさにその時にというのだ。
「痛み分けとなってな」
「分かれてですね」
「終わるだろうが」
 それでもという口調で言う艦長だった。
「おそらくここで勝敗はだ」
「つきませんか」
「そうした戦いだろう、しかしな」
「しかしとは」
「実に激しい戦いだな」
 艦長は副長にこうも言った、彼等の乗る戦艦の周りにもティムール軍の攻撃が届いており僚艦達が攻撃を受け沈もうとしている艦も多い。
「この戦いは」
「私もこれまで多くの戦いに参加していましたが」
 副長もその激しい戦闘の中で言う。
「それでもです」
「ここまではだな」
「はい、なかったです」
「そうだな、それは私もだ」
「双方の損害が二十パーセントを超えました」
「二十パーセントか」
「今しがた」
 戦闘では相当な損害である。
「超えました」
「そうか、しかしだな」
「まだですね」
「戦闘は続く」
「お互いが力尽きるまで」
「そうなる、我々もティムール軍もまだだ」
 力尽きていないというのだ。
「だからな」
「おy互いにそうなるまで、ですね」
「この戦闘は続くぞ」
 損害に関係なく、というのだ。
「わかったな」
「ではそれまで、ですね」
「焦れたり怯えたりするとな」
「それで」
「敗れる」
 その時点でというのだ。
「そうした戦いだ、だから我々もだ」
「このままですね」
「撃ち尽くすか損害が出て撤退命令が出ない限りはな」
「進撃ですね」
「そうだ、攻撃だ」
 攻撃は続いている、彼等の艦艇もビーム攻撃を続けている。ミサイルもまだ放つことが出来る状況だ。
「このままな」
「わかりました」
「沈められるとな」
 撃沈された時にも言及した艦長だった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧