| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十六部第二章 戦闘開始その八

 シャイターンは心にある剣を抜いた、そうして親衛艦隊に対して高らかに告げた。
「親衛艦隊全軍突撃せよ、私も向かう」
「なっ、閣下も!?」
「シャイターン主席ご自身がか!?」
「アッディーン大統領に向かわれるのか!」
「そうされるというのか!?」
「陣形は矢だ」 
 弓矢のそれの形にするというのだ。
「そしてその陣形の中にだ」
「閣下がですが」
「閣下も入られて」
「そのうえで」
「攻める」
 そうするというのだ。
「そして一騎打ちになればだ」
「アッディーン大統領と」
「国家元首同士でなろうとも」
「私は勝つ、アッラーは我々に勝利をもたらされる」
 確信を以て言うシャイターンだった。
「だからだ、いいな」
「はい、それではです」
「これより突き進みましょう」
「そしてそのうえで」
「アッディーン大統領を討ち取りましょう」
 幕僚達も異論はなかった、シャイターンはその彼等に傲然として告げた。
「勝利は私の手にある」
 こう言って向かう、今両軍は正面からぶつかろうとしていた。
 アッディーンとシャイターンは今激突した、その激突が起こった瞬間銀河が裂けた様に見えた、そこまでの激しいビームの応酬の後で。
 両軍は激しい接近戦に入った、沈められた艦の後に別の艦が出てそうして死闘が繰り広げられる、この戦場で最も激しい戦いになったが。
 アッディーンは惑わず恐れず指揮を行っている、彼はアリーの艦橋に立ち指示を出していた。
「傷付いた艦は退け、そしてその後にだ」
「次の艦が出る」
「そうしていってですね」
「怯むことなく戦う」
「そうしていくのですね」
「そうだ、怯まないことだ」
 決してというのだ。
「いいな、そしてだ」
「そうしてですね」
「このまま戦い続ける」
「そうしていきますか」
「退く者はいない筈だ」
 アッディーンには確信があった、このことについて。
「我々は何だ」
「オムダーマンの者です」
「オムダーマンの軍人です」
「オムダーマンの軍人が退くか」
 敵を前にして後ろにというのだ。
「そうしたことをするか」
「いえ、決して」
「それはありまえん」
「何があろうとも」
「そうだ、だからこのままだ」
 退くことなく、というのだ。
「戦うぞ」
「わかりました」
「ではシャイターン主席と一騎打ちになろうとも」
「退かずですね」
「勝たれますね」
「そうされますね」
「そうする、私もまたオムダーマンの者だ」
 勇敢な者だというのだ。
「こうした時は退かずそうしてだ」
「勝たれる」
「そうされますね」
「必ずな、このまま攻撃だ」
 幾ら倒れようともというのだ。
「果敢に攻めていく、いいな」
「了解です」
「それでは」
 幕僚達はアッディーンに応えた、そしてだった。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧