星河の覇皇
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第七十六部第二章 戦闘開始その七
「サハラでの戦争はそうだな」
「はい、ですから」
「そうだな、しかしだ」
「そのリスクを承知のうえで、ですか」
「親衛艦隊を向かわせる」
シャイターンの方にというのだ。
「そしてそのうえでだ」
「戦われて」
「勝敗を決したい、この会戦で戦いを終わらせるとすればだ」
オムダーマンとティムールの、つまりサハラ統一の戦いをだ。
「それこそだ」
「それしかないですね」
「だからだ、いいな」
「親衛艦隊と共に」
「シャイターン主席のところに向かうぞ」
「わかりました」
シャルジャーも納得した、これ以上言うことは止めた。アッディーンがリスクそれも自身の敗北はおろか戦死するリスクさえ承知で攻めようとしていることがわかったからだ。戦争を終わらせ勝利を手に入れる為に。
「では」
「このまま進撃だ」
また言った。
「いいな」
「わかりました、ではです」
「親衛艦隊と共にです」
「シャイターン主席の旗艦に向かいましょう」
「シャハラザードに」
幕僚達も頷く、そしてだった。
アッディーンは自らが率いる親衛艦隊と共にシャイターンの方に向かった、その動きは迅速であったが。
それに気付かないシャイターンではなかった、彼はアッディーンの動きを見るとすぐに彼の幕僚達に言った。
「こちらも親衛艦隊を率いてだ」
「そしてですか」
「オムダーマンの親衛艦隊に向かう」
「そうしてあたる」
「そうしますか」
「敵が来るならばこちらもだ」
つまりシャイターンもというのだ。
「迎え撃つ、そしてだ」
「逆にですね」
「アッディーン大統領を討ち取る」
「そうしますか」
「出来れば死なせたくはない、しかしだ」
ここは戦場だ、このことからの言葉だ。
「若し少しでも手を抜けば敗れるのは私だ」
「そうなりますね」
「その時は」
「アッディーン大統領も強敵です」
「そのアッディーン大統領に手を抜けば」
「命だけはと思いそうすれば」
「敗れる」
まさにその瞬間にというのだ。
「だからだ」
「ここは、ですね」
「全力で向かいますね」
「そうして雌雄を決する」
「そうしますね」
「若し私が勝てばだ」
その場合のことにも言及するシャイターンだった。
「私はその時点でサハラの皇帝となる」
「アッディーン大統領の乗艦アリーを沈めれば」
「その時はですね」
「我等の勝利ですね」
「それが決まり」
「サハラの統一がなりますね」
「そうなる、私はここで勝つ」
本気だった、それも完全な。
「ではいいな」
「これよりですね」
「こちらも親衛艦隊を向かいそのうえで」
「アッディーン大統領と戦う」
「あの御仁が直接率いる艦隊と」
「そうする、敵が進む方に親衛艦隊を集めよ」
ティムール軍のそれをというのだ。
「いいな」
「わかりました」
「ではです」
「これより親衛艦隊と共に向かいましょう」
「彼等は既に我等の周りにいます」
「彼等を集結させて」
「そうする、ここで終わらせる為に」
統一の為の戦争、それをだ。
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