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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その四十三

「内政、特に統治システムの確立だ」
「それに専念しないとならないですね」
「だからだ、サハラもだ」
 この国もというのだ。
「戦争の余裕はない」
「だからですね」
「我々の講和の話にも乗る」
「国交の回復にも」
「そうなる、これは総統のお考えだが」
「そうなりますね」
「サハラもエウロパも敵は欲しくない」
 この考えは同じだというのだ。
「それにサハラはどうも連合を警戒している」
「巨大であるが故に」
「マウリアもだがな」
 マウリアは連合の同盟国であるがだ、それと同時にエウロパの同盟国でもありバランサーにもなっている。
「あの国もな、だからだ」
「我々とはですか」
「敵同士でいたくない」
「そう考えているからこそ」
「講和をしてだ」
 そしてというのだ。
「交流を深めていきたい様だ」
「では」
「サハラが統一されたならな」 
 それがオムダーマンによるものでもティムールによるものでもというのだ。
「やはりだ」
「講和ですね」
「そうなる、そして講和の後はな」
「エウロパ、マウリア、サハラで」
「連合にあたる場合もあるかも知れない」
「そうなるかも知れませんか」
「そうだ、しかし連合は巨大だ」 
 この国の話をまたしたモンサルヴァートだった。
「だから正面から敵対してもな」
「勝てる筈がありませんね」
「エウロパ戦役の様にな、だから今はだ」
「何とかですね」
「軍事技術も高めてな」
「優れた兵器を開発して」
「人口が増えると共にな」
 モンサルヴァートは軍の長期戦略も話した。
「軍の規模も拡大となる」
「そうして次第にですね」
「連合に対抗出来る様にしなければな」
「国力も増加させて」
「本当に徐々だがな」
 それでもというのだ。
「我々はそうしていかないとならない」
「連合に勝つ、ですね」
「何時かな」
「その為の国力、軍事力もですね」
「増強だ、それでだが」
 さらに話すモンサルヴァートだった。
「卿もサハラはわからないと言ったな」
「はい、どちらが勝つか」
「本当に流れは見えないな」
「しかしです」
 ここでタンホイザーは持ち前の神懸かり的な軍事的勘からモンサルヴァートに対して述べた。その述べたことはというと。
「一つ気になることがあります」
「それは何だ」
「オムダーマン軍の動きに妙にです」
「何かあるか」
「そんな気もします」
「伏兵か」
「そうかも知れません、後方の動きがです」
 オムダーマン軍のそれがというのだ。
「妙にです」
「伏兵がある様なか」
「そうも感じます」
「伏兵か」
「はい、どうにもです」
「そうなのか」
「私はそう感じますが」 
 こうモンサルヴァートに話すのだった。 
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