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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その四十二

「そうしている、そしてギルフォード総統のお考えだが」
「どういったものでしょうか」
「統一されたサハラと交渉してだ」
「外交において」
「そしてモントローズ要塞の非武装化をだ」
「解除させるのですね」
「そう考えておられる」
 こうタンホイザーに話した。
「あの方はな」
「そうなのですか」
「そうだ、そしてだ」
「モントローズ要塞を復活させ」
「サハラへの備えとする」
「そうお考えですか」
「無論サハラを攻めるつもりはもうない」
 このことも話したモンサルヴァートだった。
「何しろ我々は内政と暗黒宙域の踏破に忙しい」
「それどころではないですね」
「最早な、だからサハラには要塞を守りに置くだけでだ」
「相手が国境に防衛ラインを敷いてもですね」 
「何も言わない、むしろだ」
「彼等とですね」
「国交を結ぶ」
「それをですね」
「考えておられる」
 ギルフォード、彼はというのだ。
「サハラはな」
「国交を回復ですか」
「そしてそのうえでだ」
「敵を絞りますか」
「連合だけにな」
「連合とはです」
 ここでこう言ったタンホイザーだった。
「やはりですね」
「我々は相容れない」
「そうした関係ですね」
「まさに不倶戴天の敵同士だ」
「だからこそ」
「敵対するしかないからな」
 それ故にというのだ。
「我々もだ」
「敵を絞る」
「そうしないとならないからな」
「敵は連合だけですね」
「この国だけにしてだ」
 そうしてというのだ。
「他国とはな」
「マウリア、そしてサハラとは」
「交流を深めるか回復させてだ」
「敵でなくするのですね」
「敵は少ない方がいい」
 こうも言ったモンサルヴァートだった。
「やはりな」
「はい、その方が戦略も立てやすいです」
「戦力も向けやすくなる」
「二正面作戦になりますと」
 どうしてもだった。
「辛いものになります」
「それも非常にな」
「ですから」
「総統のこのお考えはだな」
「私にしてもです」
 タンホイザー、宇宙艦隊司令長官として実戦部隊を率いる彼にしてもというのだ。
「有り難いことです」
「ではな」
「はい、是非です」
「サハラとは講和すべきだな」
「今は敵同士ですが」
 それでもというのだ。
「サハラの考え次第で」
「あの国もだ」
「統一すればですね」
「そこからの内政に必死にならざるを得ない」
「統一即ち建国であり」
「建国したならばだ」 
 まずはというのだ。 
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