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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その四十一

「両者互角だ」
「そして率いて戦う兵もです」
「双方互角だな」
「将帥の数ではオムダーマン軍の方が上で」
 このことは軍の規模の違いも関係がある。
「オムダーマン軍は名将が揃っています」
「アッディーン大統領以外にもな」
「それに対してティムール軍はといいますと」
「シャイターン主席と二人の弟達は確かに優秀だがな」
「ややにしてもです」
 その程度の違いであるがというのだ。
「将帥の質はオムダーマン軍より劣りシステムもです」
「あの国は独裁制だからな」
「シャイターン主席に頼っています」
 そうなっているというのだ。
「ですからシャイターン主席以外の将帥はです」
「オムダーマン程よくなくな」
「オムダーマン軍の全面攻撃を受けると危ういですが」
「それに備えてな」
「既に防衛ラインを整えています」
 シャイターンもそれがわかって用意したのだ、その重厚かつ堅固な防衛ラインを国境に設けたのである。
「あの防衛ラインを守っていれば」
「ティムール軍もな」
「オムダーマン軍の数と将帥の質の優位もです」
「無意味なものに出来るな」
「そして総司令官同士の戦いを挑む」
「それがシャイターン主席の考えでありな」
「今はそのままに動いています」
 まさにというのだ。
「これまでは」
「そして総大将同士の戦いとなるが」
「アッディーン大統領も必ずです」
「備えはあるな」
「それは間違いありません」
 タンホイザーは断言した。
「そのことは」
「それが何時出るかもな」
「気になります、何がどうなるか」
「わからない戦いか」
「何の筋書きもないドラマでしょうか」
 今のサハラの戦いはというのだ。
「おそらくアッラーのみぞ知る」
「彼等の神がな」
「そうした戦いでしょう」
 まさにというのだ。
「我々が知ることの出来るものではありません」
「そうか、では我々はな」
「サハラでどちらが統一してもです」
「いい様にしておくことか」
「戦略的にも」
 そうすべきだというのだ。
「ここは」
「そういうことか、ではだ」
「ギルフォード総統にですね」
「どちらが統一してもいい様にしておこう」
「エウロパの政策としてですね」
「そうしていこう、とはいっても備えはな」
「既にですね」
「してある」
 それはというのだ。
「非武装地帯の外に厳重な防衛ラインを敷いてだ」
「そしてですね」
「非武装地帯の中の警察もな」
「武双させていますね」
「そして民兵を置いている」
「軍を入れられないならですね」
「他の武装組織を入れる」
 そうするというのだ。
「非武装地帯といってもサハラとの条約は緩やかだった」
「軍隊を入れないだけでしたから」
「モントローズ星系にな」
 モントローズ要塞のあるこの星系にだ。
「だからな」
「モントローズ星系の外にも防衛ラインを敷いて」
「あの星系にもな」
 そのモントローズ星系にもというのだ。 
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