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ドリトル先生と牛女

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第四幕その九

「あのお魚のものだよ」
「あの歯が何列もあって」
「折れてもすぐに次の歯が出て来るっていう」
「あのお魚ね」
「それなんだ」
「うん、鮫の歯は面白いね」
 こうも言う先生でした。
「学んでいると」
「普通歯は一列でね」
「折れたら次はないけれど」
「それでもね」
「鮫の歯が違っていて」
「折れても次が生える」
「すぐにそうなるのよね」
「それが面白くて」
 それでというのです。
「学んでいてもね」
「学びがいがあるんだ」
「先生にとっても」
「そうなのね」
「実際に」
「面白いね、人間の歯はね」 
 先生は自分達の歯のお話もしました。
「乳歯と永久歯があるね」
「そうそう」
「それで乳歯は子供の頃に抜けて」
「その下から永久歯が出て来る」
「そうなるのよね」
「この乳歯が抜ける時がもどかしいんだよね」
 先生は笑って言いました。
「これが」
「皆そう言うね」
「人間の人達は」
「乳歯が抜ける時がもどかしいって」
「歯がぐらぐらと揺れて」
「その感触が」
「僕も経験したけれどね」
 人間だからです、当然先生も乳歯が抜けています。
「歯が揺れてね」
「その下から永久歯が出て来る」
「その感触がどうにもだね」
「もどかしいんだね」
「いい感触ではないね」
 どうにもというのです。
「それでレントゲンを取ったら」
「歯が縦に二列ある」
「そうだよね」
「人間の子供ってね」
「そうなのよね」
「うん、そうもなっていて」
 それでというのです。
「成長するとね」
「それでだね」
「徐々に歯が抜けていって」
「永久歯になって」
「後は生え代わらないんだよね」
「そう、けれど鮫はね」
 今論文に書いているこの生きものはというのです。
「何度でもね」
「生え代わるね」
「すぐに次の歯が出るね」
「歯が折れても」
「そうなるわね」
「かつてはプロトペランという鮫もいて」
 この鮫はといいますと。
「下顎に何列もね」
「もう歯があったの」
「そうだったんだ」
「既に」
「物凄い姿だったんだ」
 そのプロトペランという鮫はというのです。 
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