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ドリトル先生と牛女

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第四幕その八

「これがいいんだよね」
「物凄く甘くして飲む」
 トートーはそのミルクティーを飲む先生を見ています、勿論そのミルクティーにはお砂糖が入っています。
「それがいいんだよね」
「何杯も飲んでね」
 こう言ったのはポリネシアでした。
「論文を書くのが先生のスタイルだね」
「論文どんどん書いているけれど」
 チーチーは先生の飲みながらも続いている速筆を見ています。
「それが先生の学問だね」
「先生の学問ってお茶が欠かせないね」
「読む時も飲んでるし」
 オシツオサレツも言います。
「その中でも特に紅茶だね」
「とりわけミルクティーだね」
「うん、ただね」
 先生は笑いながら言いました。
「甘いものを飲んでいるから」
「そうそう」
「先生もしっかり歯を磨いているね」
「虫歯にならない様に」
「そうだね」
「うん、虫歯の怖さは知っているから」
 だからだというのです。
「そうしているよ」
「そうだね」
「糖尿病にも気をつけてお砂糖は入れても少なくしてるし」
「沢山入れていないわよ」
「入れない時もあるし」
「ミルクの甘さだけでもいいしね」
 その味がというのです。
「だからね」
「飲んでるね」
「今もね」
「そうしているね」
「うん、ミルクティーは大好きだよ」
 何といってもというのです。
「だから今の論文もね」
「書いていくんだね」
「どんどん」
「そうしていくのね」
「学者は論文を書くことだよ」
 これが仕事だというのです。
「何といってもね」
「学んでね」
「読んで検証して」
「フィールドワークもして」
「そうしていくことだよ、若ししないと」
 学んでそして論文を書かないと、というのです。
「学者としてね」
「よくないね」
「そうだよね」
「何といっても」
「そうだね」
「若しそれをしなかったら」
 その時はというのです。
「学者としてはね」
「よくないね」
「やっぱり学者さんならね」
「論文を書かないとね」
「読んで検証してね」
「フィールドワークもして」
「そうしないと駄目だよ」
 こう言いつつ論文を書きます、そして。 
 先生はロシア語の本を読んでまた言いました。
「実は今は歯科の本を読んでいるんだ」
「その歯だね」
「今度牛女さんの歯を手術するけれど」
「歯の論文を書いているんだ」
「歯科のそれを」
「そうなんだ」
 皆に笑ってお話しました。
「今はね」
「手術をしながら論文も書く」
「奇遇だね」
「それはまた」
「そうだね、ちなみに論文は鮫の歯だよ」
 この生きもののことだというのです。 
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