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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その三十八

「だから負けた」
「あの軍隊に対するにはです」
「巨艦達をどうにかしないとならない」
「それで考えた戦術です」
「巨艦達を要塞に見立てたうえでだな」
「そういうことです、しかし思うことは」
 それはというと。
「コロニーレーザーはかなり多く必要になりますが」
「それの確保はか」
「私は必要だと考えていますが」
「今エウロパは深刻な予算不足でだ」
「軍も同じですね」
「防衛体制の全面的な見直しにだ」
「新兵器の開発ですね」
 タンホイザーもこのことについて話した。
「そうしたことに予算を回していて」
「コロニーレーザーまではな」
「容易にはですね」
「回せないだろう」
「やはりそうですか」
「コロニーの建造にもかなりの予算が必要だ」
 エウロパでは多く建造されたが連合ではその予算の膨大さに比べて収容人口の少なさから惑星の開発、開拓技術に力を注ぐ様にしたのだ。
「それもあの巨艦達一隻を撃沈する為にだな」
「最悪一つのコロニーを使用することも考えています」
「それだ、軍の予算を考えるとな」
 厳しいそれをだ。
「私としてはな」
「中々、ですね」
「承認出来ない、軍の予算はまた言うが厳しい」
「今でギリギリですね」
「何とかやりくりしている位だ」
 そうした状況だというのだ。
「だからだ」
「コロニーレーザーもですね」
「新型の開発もな」
 それすらもというのだ。
「難しい」
「それが現実ですね」
「そうだ、だから卿の戦術もだ」
「今の時点ではですね」
「訓練としては防衛用のそれを転用出来るが」 
 それでもというのだ。
「実戦として使うにはな」
「無理ですね」
「予算がないなら何も出来ない」
「兵器の開発も建造も」
「何もかもがだ」
 それこそというのだ。
「だからだ」
「今は絵に描いた餅ですね」
「そうした状況ということはわかってくれ」
「それでは」
「今でギリギリだ」
「この状況は暫く続きますね」
「エウロパはようやく復興の段階を終えた」
 エウロパ戦役での敗戦からだ。
「それでだ」
「今からですね」
「ようやく発展に向かう」
「そして国力と共に軍事費もついてきますが」
「それでもだ」
「まだそれが軌道にも乗っていない」
「まだまだ先だ」
 軍事費が増えることもというのだ。
「しかも新型の艦艇の開発と建造、防衛ラインの再施設が先でだ」
「攻撃用コロニーレーザーはですね」
「艦隊と共に運用する様なものはな」
「まだまだ先ですね」
「そうだ」
 その通りという返事だった。
「そこまではな」
「では計画としてですね」
「用意しておくが」
 それでもというのだ。 
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