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星河の覇皇

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第七十六部第一章 動きはじめる両軍その三十六

「必ず。ですから」
「それを使うか」
「はい」 
 まさにというのだ。
「そしてそのうえで、です」
「沈めるか」
「そう考えています、ヒントがありました」
「アッディーン大統領か」
「あの大統領は度々攻撃にコロニーレーザーを使っていますね」
「それで敵の防衛ラインを突破している」
「コロニーレーザーは本来防衛用の兵器です」
 防衛ラインに配置しそうして攻めて来る敵を撃つのだ。
「そうする兵器ですが」
「しかしだな」
「はい、持ち運びも出来ますので」
「移動させられもするな」
「速度が遅いにしても」
「それでもな」
「移動させられるので」
 それでなのだ。
「アッディーン大統領も攻撃に使ってです」
「敵の防衛ラインを突破してきているな」
「それを見て思いつきました」
「連合軍の巨艦にはだな」
「コロニーレーザーを以てです」
「攻めるか」
「ティアマト級なら貫けます」
 その巨体をというのだ。
「そしてそのうえで」
「沈められるからだな」
「使用します、そしてコロニーレーザーを撃ち尽くしたなら」
「その時はだな」
「いざとなればコロニーをぶつけます」
 それ自体をというのだ。
「これもアッディーン大統領からヒントを得ました」
「使いきったコロニーレーザーを敵の防衛ラインにぶつけていたな」
「そうしてその爆発で破壊していました」
「あれはコロニー落としだな」
 モンサルヴァートはこの戦術を話に出した。
「サハラでは時折行われた」
「時には惑星に落としていましたね」
「そうして敵の基地を破壊していた」
「どういった惑星の基地もコロニーを落とせば」
 ここまで大型のものをだ。
「間違いなく消滅します」
「文字通りにな」
「その星に深刻な環境破壊さえ及ぼします」
 当然一般市民も億単位で巻き添えにする、だからコロニーを人が居住する惑星に落とす行為は非人道行為とされている。
「ですからまずです」
「しないものだな」
「惑星や衛星へ落とすことは」
「人工衛星や人工要塞ならともかくな」
「こうした施設へのコロニー落としは比較的多いです」 
 サハラでもだ。
「死ぬのは軍人だけですし」
「一般市民のいる惑星へのそれとは違ってな」
「それは我々も抵抗がありません」
「はい、そしてです」
「アッディーン大統領はそれを応用してな」
「使用しています」
 敵の戦線の破壊にだ。
「そうしています、そして我々もです」
「そうしていくな」
「はい」
 まさにという返事だった。
「連合軍の巨艦達にも」
「ゾロアスター級は全長百キロのまさに動く移動要塞だ」
 モンサルヴァートはこの巨艦の話をした、連合軍を軍単位でコントロールすることも役割の一つとしている。
「並の艦艇での攻撃では沈められない」
「それが例え艦隊単位でも」
「しかしそれでもな」
「コロニーレーザーを受ければ」
「沈めることも可能だしな」
「コロニーレーザー自体をぶつければ」
 それが直撃ならばだ。 
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